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平成21年第4回定例会(第16号12月 1日)

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  1. 豊島区議会 2009-12-01
    平成21年第4回定例会(第16号12月 1日)


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    平成21年第4回定例会(第16号12月 1日) 平成21年豊島区議会会議録第16号(第4回定例会)   平成21年12月1日(火曜日)  議員定数 36名  出席議員 36名       1  番    原 田まさひろ       2  番    和賀井 哲 代       3  番    永 野 裕 子       4  番    五十嵐 みのる       5  番    日 野 克 彰       6  番    古 坊 知 生       7  番    中 田 兵 衛       8  番    水 谷   泉       9  番    西 山 陽 介       10  番    根 岸 光 洋       11  番    辻     薫       12  番    高 橋 佳代子       13  番    竹 下 ひろみ       14  番    磯   一 昭
          15  番    森   とおる       16  番    儀 武 さとる       17  番    小 林 俊 史       18  番    藤 本 きんじ       19  番    島 村 高 彦       20  番    中 島 義 春       21  番    河 原 弘 明       22  番    村 上 宇 一       23  番    堀   宏 道       24  番    本 橋 弘 隆       25  番    渡 辺 くみ子       26  番    小 林 ひろみ       27  番    山 口 菊 子       28  番    大 谷 洋 子       29  番    此 島 澄 子       30  番    木 下   広       31  番    里 中 郁 男       32  番    吉 村 辰 明       33  番    小 峰   博       34  番    遠 竹 よしこ       35  番    垣 内 信 行       36  番    河 野 たえ子  欠席議員 なし ────────────────────────────────────────  説明のため出席した者の職氏名       区  長    高 野 之 夫       副区長     水 島 正 彦       政策経営部長  横 田   勇       総務部長    小 野 温 代       施設管理部長  上 村 彰 雄       区民部長    齋 藤 賢 司       文化商工部長  東 澤   昭       図書館担当部長 加 藤 芳 成       清掃環境部長  永 田 謙 介       保健福祉部長  大 門 一 幸       健康担当部長  若 林 弘 司       池袋保健所長  村 主 千 明       子ども家庭部長 吉 川 彰 宏       都市整備部長  増 田 良 勝       土木部長    亀 山 勝 敏       会計管理室長  桐 生 建 樹        ─────────────────       教育長     三 田 一 則       教育総務部長  佐 藤 正 俊        ─────────────────       選挙管理委員会事務局長               山 中 利 道        ─────────────────       監査委員事務局長               西 澤 茂 樹 ────────────────────────────────────────  職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名       事務局長    陣野原 伸 幸       議会総務課長  石 川   裕       議会担当係長  七 尾   弘       議会担当係長  松 木 良 一 ────────────────────────────────────────   議事日程 ・会議録署名議員の指名 ・一般質問 ────────────────────────────────────────   会議に付した事件 ・会議録署名議員の指名 ・一般質問   里中郁男議員「元気のある豊島区政目指して」   藤本きんじ議員「職員互助会への税金投入を大幅に削減せよ。」   高橋佳代子議員「人に優しい 魅力ある豊島をめざして」   小林ひろみ議員「区民生活を支える来年度予算編成にするために」   日野克彰議員「「事業仕分け」の観点を踏まえた予算編成と行政評価の必要性」 ・会議時間の延長 ────────────────────────────────────────   午後1時2分開議 ○議長(本橋弘隆) これより本日の会議を開きます。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(本橋弘隆) 会議録署名議員をご指名申し上げます。11番辻薫さん、12番高橋佳代子さん、13番竹下ひろみさん、以上の方にお願いいたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(本橋弘隆) これより一般質問を行います。  発言通告に基づき、順次これを許可いたします。  まず、31番議員より、「元気のある豊島区政目指して」の発言がございます。   〔里中郁男議員登壇〕(拍手) ○31番(里中郁男) 私は、自民党豊島区議団を代表いたしまして「元気のある豊島区政目指して」と題しまして、1、新庁舎建設について、2、復興まちづくりについて、3、今後の高齢者福祉施策の方向性について、4、保育園の待機児童対策について、5、その他といたしまして、学校フレッシュ水道について、一般質問をさせていただきます。高野区長の積極的かつ前向きなご答弁をご期待申し上げます。  先般、11月12日に天皇陛下御在位20年をお祝いする国民祭典が行われました。第1部の奉祝祭りでは、日本を代表する各地域の伝統祭りを初め、東京都神社庁連合神輿渡御、鍛冶橋通りでは、お国自慢の全国郷土展開催など、各団体がこぞってお祝いをし、第2部では、約3万人が皇居前広場に集まり、私たちの記憶に生涯残る、素晴らしい祝典が繰り広げられました。豊島区議会といたしましても、「天皇陛下御在位20年と天皇皇后御大婚50年に捧げる祝意」を区民の総意として、本橋議長と陣野原区議会事務局長が宮内庁に賀表をお届けに上がったところ、翌日、沖田侍従長から電話をいただき、天皇陛下御自ら賀表をお手に取り、お読みになり、「皆様によろしく。ありがとう」とおっしゃったとの報告を受け、大変感銘を受けたところであります。区議会全会派一致しての今回の決定に、改めて感謝御礼を申し上げる次第でございます。  さて、さきの総選挙で自民党が歴史的な惨敗を喫し政権交代となったことで、最近のマスコミの紙面からは自民党の文字が極端に少なくなり、テレビでもなじみの議員の姿が画面から消えつつある観もあります。民主党が来年度予算の概算要求から無駄を洗い出す事業仕分けを行っている中で、政府は17日、教育再生懇談会、地球温暖化問題に関する懇談会、地方分権改革推進本部など、自民党政権が設置をいたしました18の会議を廃止いたしました。政権交代が行われたのだから、本来、一部の政策を見直すのは当然ということは理解できますけれども、既に始まっている事業もある中で、そのしわ寄せが現場に降りかかり、少なからず影響が出ることが懸念されてなりません。また、最近では、鳩山首相発言の軽さが目立ち、特に沖縄の米軍普天間基地の移設問題をめぐる発言のブレは重大であり、日米同盟関係に大きな影を落としかねません。この状態を放置すれば、国内外での首相の信頼感が失われるだけでなく、これまで我が国が築き上げてきた努力や実績までも失われかねないのであり、一連の首相の発言のブレと、しばしば露呈される内閣の足並みの乱れは、日本の安全保障にも影響を及ぼしかねないということを自覚し、鳩山首相は自ら事態の深刻さを直視し襟を正すべきであると考えているところでございます。自民党政権との違いを示すことに躍起になっていて、力を注ぎ込み過ぎて、本来、時の政権が示すべき日本の進むべき将来の方向や姿がよく見えないと思うのは、私一人だけでしょうか。  さて、本区においても、昨年秋からの景気減速、世界的な不況の影響を受けた企業収益の減少により、大幅な財源不足が見込まれる中、財源対策にも先見性と手腕が特に問われる時代になってまいりました。今年7月内閣府が発表した試算では、民間需要の低迷により、平成21年度の実質国内総生産、GDPの成長率はマイナス3.3%、22年度は0.6%程度と、大変厳しい見通しとなっております。こうした状況において、今定例会の区長の招集あいさつの冒頭にもありましたけれども、去る11月5日、東京都主税局より21年度の都税収入の見込みが発表され、特別区財政調整交付金の原資となる市町村民税法人分が含まれる法人二税が、当初予算より約4,500億円、25.4%のマイナスとなることが明らかになりました。歳入の根幹をなす財政調整交付金については、21年度は再調整等による予算割れ、22年度においてもさらなる減収が危惧される憂慮すべき事態となっております。したがいまして、このような財政調整交付金の動向を考えますと、来年度の予算編成は非常に厳しい状況にあることは明らかであります。  そこで、こうした事態を想定した財源対策の仕組みの1つとして、年度間の財源を調整する財政調整基金があるわけでございますが、本区の現在の残高は約75億円と聞いております。しかしながら、昨今の経済環境を考えますと、この残高では誠に心細さを感じざるを得ないのであります。20年度末における本区を除く22区の平均積立額は、約192億円と聞いております。せめて22区平均ぐらいはあってもいいのではないでしょうか。今後、この財政調整基金は、安定的な行政サービスを提供していく上でもますます重要な役割を果たす基金と考えておりますので、厳しい財政環境においても、計画的な積み立てを着実に行っていくべきであると考えております。  いずれにいたしましても、この深刻な現状を乗り越えるには、不断の行財政改革を継続することはもちろんのこと、さらなる事務事業の徹底した見直しと、将来に向けた戦略的な施策の展開を図り、効率的・効果的な財源投入の取り組みが必要不可欠であります。その実現のためには、区民に対してこうした状況を丁寧に説明をし、十分な理解と協力を得ることが不可欠であります。  我々自民党豊島区議団は、国政において与野党の逆転が生じたという現実の中で、これまでの経験を生かし、守るべきことは断固として守り、変えるべきことは大胆に変え、保守政治の魂を守りながら、これまで培ってきた区民と行政、議会との信頼関係のさらなる構築に力を注ぎ、人と人との絆を大切にする中で、本区発展のために研鑽を積み重ねて、区議団一致団結、一丸となって区民のために働いていく決意でございます。  それでは、質問に入りたいと思います。  まず、新庁舎建設についてであります。去る10月30日、三越池袋店跡にヤマダ電機の総本店が開業し、この地区を本拠とするビックカメラとの競争で通りは人で溢れ、周辺界隈は一転してにぎわいを呈しております。一つのきっかけで池袋の街ががらっと変わったあり様を目の当たりにいたしますと、拠点となる施設の充実が街全体の発展の強烈なインパクトになることを改めて認識したところでございます。先日、11月13日の副都心委員会に報告があった、池袋副都心整備ガイドプランにおきましては、東西デッキや造幣局周辺地区の整備はもとより、新庁舎の整備と公会堂・現庁舎地周辺の整備が、池袋副都心再生のチャレンジとして位置付けられました。池袋副都心の再生に向けた戦略ともいえるこのガイドプランに基づいて、様々なチャレンジが実現されれば、その地区のにぎわいだけでなく池袋全体の価値が高まり、なお豊島区全体に波及効果が現れるものと確信しております。これら様々なチャレンジに対する積極的な取り組みを大いに期待しておりますが、その中でも新庁舎を含む南池袋二丁目再開発事業と、現庁舎地跡地の整備が最も確実性があり、スケジュールもはっきりしているのであります。その意味でも、この2つの事業は今後の池袋の発展にとって最も期待されている事業であると考えております。  再開発事業を左右する最も重要なポイントは、事業性が担保されているかどうかということだと思います。東池袋四丁目の再開発事業では、事業計画を固める段階で、床を取得する予定者、いわゆる参加組合員が定まらず、事業が停滞し、最終的に事業の見直しを余儀なくされたもので、その段階では、前区長に、「進むも地獄、引くも地獄」と言わしめたほど深刻なものでありました。しかし、高野区長を初め、関係者の努力によって、その難局を乗り越え、今となってはサンシャインシティと一体となって、池袋の最も可能性のある地域をつくり出しております。このような教訓を基に、今回の南池袋二丁目再開発事業では、慎重に取り組まれ、最も重要なポイントとなる参加組合員も早々に決定し、事業の確実性にほぼ目処がついたものと私としても判断しているところでございます。今後は、いよいよ本格的に事業に取り組んでいくこととなるわけでございますが、これまで以上に区の総力を挙げて再開発事業と新庁舎が一日でも早く完成することを切に願うものであります。そのためには、我が会派、自民党豊島区議団も、最大限協力する覚悟でおります。  そこで、何点か今後の取り組みについてお伺いをいたします。まず、今後の流れといたしましては、大きく分けて再開発事業としては建物の設計、権利変換計画、建設というように進み、また現庁舎地の活用としては、定期借地権の借受人の選定、現庁舎建物の解体、新たな建物の建設と進んでいくと理解しておりますが、現時点における今後の流れと、予定される時期等について、もう少し詳しくお示しいただきたいと思います。  次に、これまでは庁舎の位置や整備手法が区民の皆様の関心事でしたが、いよいよ都市計画も決定し、事業が動き出したわけでありますので、今後は具体的にどんな庁舎ができるのかという点に関心が移るものと思われます。新庁舎の設計に当たり、どのようなコンセプトを基に進めるのか、また、そのコンセプトを具体化するためのポイントは何なのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。  次に、新庁舎における区民サービスについてお伺いをいたします。総合窓口や福祉相談窓口と簡単に言いましても、各分野の仕事は法律や国の縦割り行政システムに従って構築されており、複雑に入り組んでおります。また個人情報の保護という制度もあり、総合的な対応といっても、それを具体化することは容易なことではないと思っております。他の自治体を調べても、ワンストップサービスといってもいろいろ難しい課題があると聞いております。窓口業務の改善は、区民にとって最も必要で大事なことであると私も考えておりますけれども、このような難題をどのように解決して改善していくのか、その実現に向けての、今後の具体的な取り組みについてお示しをいただきたいと思います。  次に、2番目の復興まちづくりについてであります。  阪神・淡路大震災から、間もなく15年を迎えようとしております。平成7年1月17日、神戸の市街地を中心に、死者6,000人以上、負傷者4万人以上の犠牲者を出した未曾有の大地震が発生いたしました。この大震災によって、私たちは改めて地震に強いまちづくりを早急に進めなければならないということを深く心に刻んだわけであります。もし今東京で同様の大地震が発生したらどうなるのか、その被害の大きさは阪神・淡路の比ではありません。東京都の公表した被害想定によりますと、冬の夕方午後6時、風速15メートルの条件の下、東京湾北部でマグニチュード7.3の直下型地震が発生した場合、都内では建物全壊棟数火災焼失棟数は約85万棟、死者数約1万1,000人、負傷者に至っては21万人にも及ぶとされております。これは想像もつかない数字であります。我が豊島区の被害想定は、建物全壊棟数火災焼失棟数あわせて約7,190棟、死者数77人、負傷者4,602人となっております。豊島区は比較的地盤がいいと言われておりますので、倒壊する建物よりも火災により焼失する建物の方が多く、焼失面積は119ヘクタール、つまり豊島区内の約1割、東京ドーム約26個分の面積が焼けてしまうという想定になっております。  私の住む駒込六丁目も、木造家屋が密集する地区でありまして、東京都の地震に関する地域危険度測定調査によりますと、誠に残念ながら、火災危険度は最高ランクの5と判定されています。建物倒壊危険度とあわせた総合判定も、最高ランクの5となっております。区内20町83丁目のうち総合危険度が5の地区は、私の住んでおります駒込六丁目のほかは、池袋本町三丁目、長崎二丁目、長崎三丁目の3地区しかございません。これらの地区は、まさに防災まちづくりが待ったなしの状況にあります。先日、決算特別委員会の中でも質問をいたしましたが、染井霊園周辺地区居住環境整備事業により、駒込地区の公園・広場面積は約5,600平方メートル増え、事業開始当初と比べ約2.5倍となりました。これにより、駒込地区の防災まちづくりは大きな成果があったと思います。これまでの区のご努力に感謝を申し上げたいと思いますが、駒込地区がまだまだ防災上危険な地区であることに変わりはありませんので、今後も引き続き、何らかの方法で、駒込地区の防災まちづくりに取り組んでいただきたいと思います。  現在、震災対策につきましては、被害を防ぐための予防対策として、耐震診断補助事業家具転倒防止器具の設置、震災直後の応急対策として、初期消火訓練指導マンホールトイレの備蓄など、様々な取り組みがなされていると承知しております。そして、さらに大変重要なのは、不幸にも東京が大震災に見舞われたとき、どのように街や暮らしを立て直すかという復興の観点であります。総合危険度5の地区に住む住民として、ぜひこの問題を取り上げさせていただきたいと思います。もちろん、区内すべての建物が耐震基準を満たすものに建て替えられ、また耐震補強がなされるとともに、狭隘な道路がすべて拡幅されるならば、復興のことなど考えなくてもいいのでしょうが、今の豊島区の現状を考えますと、100年経ってもそうなる保証はございません。首都直下地震は30年内に70%の確率で起こると言われておりますから、そう悠長に構えていられる問題ではないのであります。  そこで、復興まちづくりの方法等について、順次お伺いをいたします。まず、復興まちづくりに関する条例の内容と、その制定についてであります。この問題につきましては、我が会派の竹下ひろみ議員が、その必要性について、平成18年第4回定例会、平成19年第4回定例会と、2度にわたり一般質問をしているところであります。区はこの質問に対し、20年度に都市復興マニュアルに関する基礎調査を行い、これと並行して復興手続き等を定めるために条例制定を検討するとの答弁がございました。私もかねてより復興に関する条例に関心を持っておりましたが、条例内容に関し、1つ提案がございます。それはセーフコミュニティという理念を復興に関する条例にも生かすことであります。セーフコミュニティについては、現在、区内9地区で順次開催されている地域ビジョン懇談会において、パワーポイントを使って説明されております。また、27日の区長の招集あいさつの中でも触れられておりましたので、その概要については省略いたしますが、防災まちづくり活動も、広い意味ではセーフコミュニティにつながるものであり、地域との協働なくして復興もあり得ません。そこで、豊島区における復興に関する条例制定に際しましては、単に復興手続き等を定めるだけでなく、セーフコミュニティの理念から、地域との協働により復興に取り組むことを、ぜひ明記していただきたいと考えます。このことに関し、今後の条例制定の見通しと合わせて、お考えをお聞かせください。  次に、都市復興マニュアルについてお伺いいたします。今年7月の豊島副都心開発調査特別委員会で、詳細な基礎調査報告をしていただきました。これによりますと、改めて豊島区という街は、オープンスペースが少なく、仮設住宅を建設する用地も足りないことが明らかになりました。首都直下型地震はいつ起きてもおかしくありません。この基礎調査で明らかになった課題を踏まえ、具体的に復興の手順を示す都市復興マニュアルをできるだけ早く作成していただきたいと思います。そこで、都市復興マニュアル作成の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。さらに、復興まちづくり訓練についてお伺いいたします。不幸にも大震災が起きた場合には、行政、地域住民、ボランティアなど、様々な主体がともに復興に取り組まなければなりません。しかし、いざというとき、どのような事態が起きるのか、またこれに対してどう対処すればいいのか、事前に準備しておくことが重要であると考えます。事前にできないことがそのときになって急にできるはずがないからであります。阪神・淡路大震災のときの記録を見ましても、避難地に指定されていなかった市役所本庁舎に近隣マンションから避難民が殺到し、大混乱したそうであります。その意味で、上池袋地区で現在行われている復興まちづくり訓練は、非常によい取り組みであると思います。区職員の復興事業に対する心構えをつくることになりますし、また住民にとっても、復興という新たな観点から防災まちづくりを考えるきっかけになるからであります。そこで、上池袋地区だけに終わらず、今後もこのような地域との協働による復興啓蒙活動に取り組むべきと考えますが、現在行われている復興まちづくり訓練の状況とあわせ、今後の取り組みについてお考えをお聞かせください。  次に、3番目の、今後の高齢者福祉施策の方向性についてであります。
     我が国では、世界に例を見ない早いスピードで高齢化が進み、現在高齢化率は22.7%に達しております。今後も高齢化は進行し、団塊の世代が75歳に到達する2025年には30%を超えると推計されております。国は、これまでゴールドプラン、新ゴールドプランゴールドプラン21など、一連のプランに基づき、高齢者が自立した生活を尊厳を持って送ることができるよう、住宅福祉を基本として、介護保険制度等の充実を図ってまいりました。しかしながら一方では、特別養護老人ホーム老人保健施設などの施設整備が思うように進んでいない状況などもあり、国の社会保障制度や福祉政策は全体的に我が国の高齢化のスピードに追いついていけないのが現状と思われます。なかんずく、人口が集中する都市部では、地域の連帯が希薄なことに加え、地価が高いために高齢者施設などの受け皿の整備がままならず、さらには医療・介護サービスの供給量が不足しているなど、高齢者を取り巻く環境は誠に厳しいものがあります。こうした状況の中で、区民に最も身近な区が、基礎自治体として区民の安全・安心な生活をどう保障していくのか、今まさにその真価が問われていると言っても過言でありません。  そこでまずお伺いいたします。区は、現在実施している高齢者福祉施策の現状をどう受け止めているのか、お聞かせください。高齢になると様々な病気や身体機能の低下が表れます。本区の65歳以上の高齢者数は、本年1月現在で既に5万人を超えており、そのうち、要支援・要介護高齢者は現在約8,700人で、要介護認定率はおよそ17%になっていると伺っております。こうした中、本年3月に群馬県渋川市で発生した未届けの有料老人ホームにおける火災事故に見られるように、要支援・要介護高齢者が今後ますます増える中で、受け皿となる施設の不足が大きな問題となっております。東京都においては、この事故を契機に、猪瀬副知事を座長とするプロジェクトチームを設置し、高齢者が安心して住み続けられる住まいのあり方について検討を進め、先月、ケア付き住まいなどの提案を柱とする報告書を発表しております。本区においては、3月に策定した地域保健福祉計画の中で、地域密着型サービス施設として、認知症高齢者グループホーム及び小規模多機能型居宅介護施設の整備を計画し、既に数カ所が開設・運営されておりますが、施設の性格から、定員が少ないため、特養ホームの待機者が現在既に1,000名を超え、緊急性のあるAランクの方々が300名ほどになっている状況から考えますと、受け皿としては決して十分とはいえません。今後、待機者がさらに増えていくことを考えますと、やはり定員規模の大きい特別養護老人ホームの整備がぜひとも必要ではないでしょうか。適地が確保できない、地価が高いなど、整備に際しての阻害要因があるのは理解できますが、例えば品川区のように、廃校後の空き校舎を活用するなど、本区の置かれている極めて厳しい条件の下でも施設整備を可能にするための手法を、工夫、検討すべきではないかと考えます。そこで改めて伺いますが、本区は特別養護老人ホームの新たな整備についてどう考えているのか、東京都の対応なども踏まえお聞かせください。  次に、ひとり暮らし高齢者の増加に伴い、孤独死や金融被害の増加が大きな社会問題となっております。とりわけ、コミュニティの希薄化している都会では、ひとり暮らし高齢者のリスクが大きく、安全・安心を確保するための支援体制の整備が強く求められております。こうした中、昨年3月に、厚生労働省所管の高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議から、「孤独死ゼロを目指して」と題する報告書が公表されました。その中には、孤独死予防型コミュニティづくり、即ち、地域の低下したコミュニティ意識を掘り起こし、活性化することが最も重要だと書かれております。本区は65歳以上の高齢者のうち、約37%がひとり暮らしの高齢者で、23区の中でも65歳以上に占めるひとり暮らし高齢者の割合が特に高い状況にあります。  こうした状況を踏まえ、これまでも民生委員や地域包括支援センターによる見守り活動のほか、区民ひろばを拠点に実施している見守りと支え合いのネットワーク事業や、高齢者クラブの友愛訪問など、様々な方々の協力により見守り活動が展開されているようでありますが、すべてのひとり暮らし高齢者に対して行われているわけではありません。現在、民生委員により、75歳に達したひとり暮らし高齢者に対する実態調査が実施されていると聞いておりますが、ひとり暮らし全員の居住実態の把握はされていないと思われます。こうした中、先月、私が委員をさせていただいております個人情報保護審議会に、ひとり暮らし高齢者並びに高齢者のみ世帯の実態調査結果の情報を民生委員に提供することについて諮問があり、審議の結果、了承されたわけでございます。その際、調査は民生委員による訪問調査と、区が行う郵送調査により実施するとの説明がございました。そこでお伺いをいたします。区内すべてのひとり暮らし高齢者及び高齢者のみ世帯の実態調査を行うということでありますが、それにより区全体の見守り体制がどう変わるのか、そのメリット、効果についてお聞かせください。  次に、平均寿命が延び、高齢期がますます長くなるこれからの時代、住み慣れた地域の中で一人一人が自分らしい生き方をいかに全うできるかは、国民共通の課題となっております。一口に高齢者と言っても、身体状況、生活状況は様々であります。行政はそれぞれの健康状態や生活状況に応じたきめ細かな福祉サービスのメニューを用意し、高齢者が自由に選択できる、こうした姿がこれからの高齢者福祉の望ましいあり方ではないでしょうか。本区のようにコミュニティが希薄化し、しかも財政が逼迫する中での福祉サービス向上への取り組みに当たっては、多くの困難が伴うことと思いますが、急速な高齢化の進行は、もはや猶予を許さない状況にあります。今こそ、本区の実態に即した福祉サービスシステムの構築に向けて、着実に歩みを進める必要があると思います。そこでお伺いをいたします。本区は高齢者福祉の向上に向け、今後どのように取り組んでいくのか、ご見解をお聞かせください。  次に、4番目の保育園の待機児童対策についてであります。全国的に保育園の待機児童の増加が目立っております。全国の保育所待機児童数は、平成21年4月で2万5,384人でありました。これを平成20年4月と比較すると、5,834人の増加となります。待機児童数が50人を超えた特定市区町村は、101団体となっております。豊島区も例外ではありません。平成20年度当初58人だった待機児童数が、平成21年度には122人になっております。その原因は、いわゆる都心回帰といわれる人口流入や、不況による女性の就労意欲の増進であることが考えられますが、その対策については費用対効果に留意しながらも、積極的な施策が求められます。区は待機児童の発生に備えて、保育ママさんの施設を2カ所設置したり、保育園の定員を増やすなど、79人ほど受入数を増やして、事前に備えていたようですが、全国的な待機児童の発生の傾向の中では、残念ながら効果もいま一つでありました。  そこで、来年度の入園シーズンに向けて、いくつか具体的な対策についてお伺いをするとともに、区の待機児童解消策について確認をさせていただきたいと思います。  国は事態を憂慮して、地方自治体の業務を法令で規制する義務付け・枠付けの見直しを求めた地方分権推進委員会第3次勧告を受け、保育所の設置基準を地方自治体に委ね、基準の緩和によって待機児童を減らそうと考えているようでございますが、こうした動向の影響についても、区のお考えをお聞きしたいと思います。  まず、区は、平成22年度に向けてどのような待機児童対策を考えているのでしょうか。子どもは国の宝、社会の宝でありますから、両親が働いている間もよい環境で保育をお願いしたいのは当然であります。一方、限られた予算の中では何らかの工夫と努力で効果を上げなければなりません。その辺りの工夫をお聞かせ願いたいのであります。平成21年度においては、私ども会派が提案しておりました保育ママさんの施設を設置したり、今ある保育園の定員を基準を守りながら増やしたりしたわけでありますが、このようなことは、来年度に向けても可能なのでしょうか。また、新たな工夫があればぜひ積極的に実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次にお伺いしたいのは、抜本的な待機児童対策についてであります。待機児童の発生は全国的な傾向であり、各自治体は知恵を絞って対策に懸命であります。こうした状況の中で考えますと、この傾向がしばらく続くのであれば、抜本的な対策も必要であります。保育園の新規の開設や改築については目算があるのでしょうか。率直にお聞かせいただきたいと思います。また、新規の設置に当たっては、必要な地域に民間の施設を誘致することを考慮して進めていただきたいので、特に要望しておきます。私どもは民間の施設を誘致した自治体の実例をつぶさに調査をしてまいりました。財政面の効果は言うに及ばず、サービス面におきましても、保護者の皆様の支持を受けているのであります。  次に、保育基準の緩和による待機児童対策についてお伺いをいたします。長妻厚生労働大臣は、11月4日、地方分権改革推進委員会第3次勧告を踏まえ、緩和の要望があった保育基準について、子ども1人当たりの部屋面積の例外措置を一部の地域で認めるとの方針を示しました。これは全国一律で国が定めている保育所の基準について、待機児童の多い都市部に限り、特例的に条例で自由に定めることができるようにするものだと説明されております。多分に緊急的な対応であるとは理解いたしますが、かねてから区が心がけていた、基準を守った上での受け入れとは考えが異なります。また、保育園を経営されている民間法人から、保育の質が低下するのではとの危惧の声が多く上がったとも聞いております。一時的、緊急的な施策であるならば、待機児童解消のためと考えられますが、いつまでもそのままで良しとするのであれば、問題が多いと考えておりますが、区はどのようにお考えになっているのでしょうか。国の宝である子どものために、今こそ総合的なバランスの取れた施策を望むところであります。  次に、5番目のその他として、学校フレッシュ水道についてであります。  現在、都内の公立学校では、水飲栓は貯水槽を経由する給水方式が大半となっております。貯水槽の管理は適正に行われ、安全性は確保されているとはいえ、浄水場でつくられたおいしい水が直接子どもたちにも届くようになってはおりません。こうしたことが、小学生の間で蛇口離れにつながる要因の一つと考えられております。それに対して、東京都水道局では、直接蛇口から水を飲むという水道文化の継承に取り組むため、区市町と共同して、学校の水飲栓の直結給水化モデル事業、いわゆる学校フレッシュ水道を、平成19年度から実施しております。この学校フレッシュ水道は、東京都水道局と区市町が公立小学校を対象にモデル校を選定し、水飲栓の直結給水工事に対し技術支援を行うとともに、工事費用の一部を負担するものです。工事を行った学校では、事業効果として「水が冷たくなり、水道水が好きになりました」「学校の水が家の水と同じようにおいしく飲みやすくなりました」といった児童の声が上がったということでございます。そこでお伺いいたします。東京都水道局では事業期間を平成28年度まで延長するとともに、対象を公立中学校に拡大するとのことですが、学校の水飲栓の直結給水方式の導入について、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。また、本区では今後モデル事業も含め、本方式の導入の予定があればお聞かせください。  以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの里中郁男議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  新庁舎建設についてのご質問のうち、まず今後の流れと予定されている時期等についてのご質問にお答えいたします。新庁舎整備を含む南池袋二丁目A地区市街地再開発事業の今後の流れについてでございますけれども、現在、建物本体の基本設計を行っており、建物の構造や庁舎内部の配置計画、主要な設備をどのような方式で行うかなど、様々な項目について、具体的な検討を行っているところでございます。この設計作業と並行して、再開発組合では、事業計画、資金計画などを作成し、来春には都知事から事業計画の認可を受ける予定でございます。来年度に入りますと、基本計画を基に実施設計を行います。同時に、関係権利者との従前・従後の資産価格の算定作業を行いながら、権利変換計画案を来年夏頃までにはまとめる予定になっております。なお、現在のところ、再開発事業に対する権利者全員の合意が取れておりませんが、引き続き全員合意が取れますよう、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。権利変換案がまとまる段階におきましては、新庁舎の設計もほぼ完了し、権利変換で取得する床面積や購入する床面積、価格も明らかとなりますので、その後、庁舎の位置変更条例案を提案したいと考えております。その時期は、手続きが順調に進めば、平成22年第3回定例会を考えております。その後、権利変換計画の都知事認可を経まして、平成23年の春着工、平成26年末竣工と、今から新庁舎の完成まで5年程度かかる予定となります。  次に、現庁舎地区の跡地活用の流れについてであります。庁舎移転後、早期に現庁舎地の跡地活用をするためには、あらかじめ事業者を決めておく必要がありますが、地方自治法の定めがあり、現庁舎地は庁舎移転後に普通財産に変更した上でないと民間事業者と定期借地契約を結ぶことはできないこととなっております。さらに、事業者の公募及び選定行為も契約と一体を成す行為であるとの見解もあり、これらの手続きのスタートは、早くとも、新庁舎完成の時期が明確となり、行政財産の廃止期日が確定できる時期であると考えております。そのようなことから、現庁舎地の活用に関する公募や事業者の選定作業は、庁舎移転の概ね1年半前、平成25年度後半からを予定しております。庁舎移転後に定期借地契約を結び、その後、建物の解体、平成28年度に建物着工と進んでいくものと考えております。竣工は、早くても平成30年頃と想定しております。  次に、設計のコンセプト及び具体化のポイントについてのご質問にお答えいたします。  まず、1点目のコンセプトは、効率性の追求と区民サービスの向上であります。区民の利便性向上と効率的な業務を実現するため、同一フロアの面積をできるだけ広く確保することがポイントになります。また、建物構造への影響を考慮しつつ、できるだけ柱の間隔を大きく取り、窓口の集約と関連する部局の隣接配置などを想定した建物計画とする必要があります。さらに、将来の用途変更や執務形態の変化、情報設備の拡張等に対応できるよう、電気や空調の設計に反映していく必要があります。  2点目のコンセプトは、安全・安心の確保であります。関東大震災以上の大地震でも、継続使用が可能となる建物を目指してまいりますが、これを実現するにはどのような工法を採用した構造計画とするかも大きなポイントになるわけであります。また、ライフラインの復旧までの3日間程度の電気や水を確保する設備計画もポイントではないかと思います。  3点目のコンセプトは、環境への配慮です。省資源という点のポイントは、建物の耐久性を向上させ、リニューアルしやすくすることで長寿命化を図ります。100年以上の耐久性を持つ構造体と、30年程度で改修が必要となる内装や設備機器を分離したスケルトン・インフィル工法の採用です。また、現在の環境配慮対策として、太陽光発電、太陽熱利用、雨水利用、屋上・壁面緑化等、様々な手法を考えておりますが、これらを具体化するに当たり、費用対効果も十分に検証し、それぞれの使用割合も決めていく必要がございます。さらに、これらの環境配慮対策を、建築計画や緑化計画にどのように織り込んでいくかも、重要なポイントでございます。今回の設計チームには、環境と建築、環境と緑地に関して造詣の深い、日本を代表する世界的に著名な建築家、隈研吾氏と、造園家の平賀達也氏がメンバーに入っておりますので、大いに期待しているところでございます。そのほかにも、新庁舎整備基本計画でお示ししたポイントは多くございますけれども、それら一つ一つについて検証し、効率的で使いやすい庁舎となるよう、設計に反映してまいりたいと思います。  次に、新庁舎における区民サービスについてのご質問にお答えいたします。  現在の転入手続きを例に挙げますと、住民記録関係は区民課、保険関係は国民健康保険課、高齢者医療年金課や介護保険課、学校関係は教育委員会など、用件によっては数カ所での窓口対応にならざるを得ない状況で、窓口改善の必要性は強く感じているところでございます。しかし、住民記録を中心とする個々の窓口業務は、ご指摘のとおり、法令や国等の行政システムに従って構成されているため、ワンストップサービスの実現には組織の再編、事務分掌の見直し、事務執行上の個人情報の取り扱いなど、様々な課題がございます。また、住民記録等の窓口では、現在多くの派遣や請負による民間職員も混在して業務を行っておりまして、職員配置をどのようにするかも大きな課題ではないかと思います。現在、新庁舎整備を契機とした窓口サービス改善に向けて、窓口業務の調査を実施し、処理件数、処理時間、専門性など、業務特性の分析を行っているところでございます。これらを基にして、今後1つの窓口でまとめて手続きができる業務かどうかについて詳細に分析し、実施の効果や改善策の具体的な検討を行う予定であります。また、行政情報化実施計画に基づく基幹系システムの再構築スケジュールとの整合性を図るために、平成23年度に予定している住民記録や総合福祉などのシステム調達の準備にあわせ、総合窓口システムや福祉相談窓口システムの検討も行ってまいります。新庁舎の完成までに、組織・人員配置や関係規定の整備、職員育成や人材確保を行うとともに、現庁舎での試行・検証作業などを十分に行って、区民の皆様が効率的に手続きや相談ができる窓口を目指したいと思います。  次に、復興まちづくりについてのご質問のうち、まず、復興まちづくり条例へのセーフコミュニティ理念の導入及び条例制定の見通しについてのご質問にお答えいたします。  ご指摘のとおり、国は、首都直下型地震が30年以内に70%の確率で起こると公表しており、震災対策は急務であると認識しております。もし、首都直下型地震が起こった場合、行政が何も手を打たなければ無秩序な再建が始まり、再び危険性の高い市街地が形成される恐れがあります。被災を繰り返さない安全な街に復興するためには、被害の程度に応じて復興対象地区を指定し、無秩序な建築行為に制限、または禁止をかけ、復興事業を推進する必要がございます。このための条例が、いわゆる復興まちづくり条例でございます。東京都から、市街地復興整備条例という名称で標準条例案が示されておりますので、区といたしましても早急に制定する必要があると考えております。阪神・淡路大震災では、震災後、わずか2カ月で土地区画整理等の都市計画決定がなされ、住民との協議・合意形成が不十分であると、行政に対して数多くの批判がなされました。震災対策の専門家からも、あらかじめ地域と行政が復興まちづくり協議を行っておく事前復興への取り組みが重要との指摘がなされております。招集あいさつでも述べましたが、地域との協働により安心・安全なまちづくりに取り組むというセーフコミュニティの理念は、広い意味では復興まちづくりにも通じる概念でございます。この趣旨から、ご提案のとおり、地域との協働により復興に取り組むべきことを復興まちづくり条例に盛り込んでまいりたいと思います。現在、都市復興マニュアル策定と並行して、他自治体との条例内容等を研究しておりまして、22年度末までには条例を制定したいと考えております。  次に、都市復興マニュアルの策定作業の進捗状況と今後の見通しについてのご質問にお答えいたします。平成20年度に基礎調査を実施しまして、ご指摘のとおり、本区では応急仮設住宅の建設用地が不足するなどの課題が明らかになってまいりました。また、被災建物の概況調査をわずか3日間で実施しなければならないことなど、職員の具体的な行動イメージもわかってまいりました。これらの課題を踏まえて、今年度中に都市復興マニュアルの骨子を作成し、22年度に庁内検討プロジェクトを立ち上げ、マニュアルを完成させたいと考えております。  次に、復興まちづくり訓練についてのご質問にお答えいたします。この訓練は、地域住民と区が、地域の防災上の課題やその対策を共有することによって、被災後のまちづくりを円滑に進めようという趣旨で実施しているものでございます。首都大学東京の全面的な協力を得まして、上池袋地区で、今年9月から来年2月まで、延べ6回にわたり実施いたします。11月21日の第2回訓練では、80名近い参加者があり、震災後の仮住まいを地区内でどのように確保するか等の課題について、地域の皆さんと非常に熱心な議論をすることができました。他区の例を見ましても、この訓練を行った地区では、震災への備えの意識がこれまで以上に高まり、円滑な復興への効果が期待できるわけであります。したがいまして、上池袋地区だけにとどまらず、他の地区におきましても、今後も地域の皆さんとともに、震災後の復興まちづくりを円滑に進めるための実践的な取り組みを展開していきたいと思っております。  なお、私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。   〔大門一幸保健福祉部長登壇〕 ○保健福祉部長(大門一幸) 今後の高齢者福祉施策の方向性についてのご質問のうち、まず、高齢者福祉施策の現状認識についてのご質問にお答えいたします。本区の高齢者福祉施策につきましては、これまで平成12年の介護保険制度の導入、18年の大幅な制度改正など、いくつかの転換点を経ながら、質の高いサービスの提供に努めてきたところでございます。とりわけ、平成18年の介護保険制度の改正により、地域包括支援センターが高齢者の健康増進を支援する拠点として設置され、総合相談や権利擁護に関するサービスを一体的に実施するとともに、介護予防重視の方針の下に、元気高齢者や特定高齢者を対象とする介護予防サービスを提供するなど、一定水準のサービスを提供する体制が整備されたものと考えております。さらに区におきましては、今年3月、地域保健福祉計画を策定し、個人の尊厳が守られ、すべての人が地域でともに支え合い、心豊かに暮らせる街を基本理念に掲げ、高齢者福祉施策のさらなる充実に努めているところであります。しかしながら一方では、ご指摘にもありますように、特別養護老人ホームなどの施設整備が計画どおりに進まないことに加え、ひとり暮らし高齢者の安全・安心のツールである緊急通報システムや配食サービスの利用実績の伸び悩みなどの課題も抱えております。こうした状況から、現行の高齢者福祉施策につきましては、いまだ改善の余地があり、さらなる充実を図っていく必要があるものと認識いたしております。  次に、特別養護老人ホームの新たな整備についてのご質問にお答えいたします。本区の特別養護老人ホームの待機者は、ご指摘のように、現在、1,000名程度で推移しており、今後の高齢化の急速な進行を見通しますと、ますます待機者の増加が懸念されます。こうした状況から、施設整備の必要性は、区といたしましても十分認識しており、認知症高齢者グループホーム等の地域密着型施設の計画的な整備とあわせ、ユニット型で100床程度の特養ホームの新たな整備につきましても、鋭意検討してまいりました。また、本年第2回定例会における堀宏道議員のご質問に対する答弁の中で申し上げましたような、高齢者の多様なニーズにかなうケア付き住まいの整備につきましても、現在、検討しているところでございます。特養ホームの整備に当たりましては、一定程度のまとまった土地を確保する必要があることから、ご指摘のとおり、既存ストックである学校跡地の活用は極めて有効な方策であると考えております。本区の学校跡地の活用につきましては、既に豊島区未来戦略推進プラン2009において記載されておりますが、特養ホームの整備が可能かどうか、今後、改めて関係部署と調整し、精力的に詰めていきたいと考えております。また、特養ホームは多様な介護サービス基盤の一つであり、常時介護を必要とし、かつ居宅での生活が困難な方の生活の場でありますが、特養ホームという重装備の施設だけで対応することは、要介護者自身にとって、限られた時間をどこで暮らすのが一番幸せなのかという視点で考えた場合、唯一の選択肢ではないと考えられます。そのため、東京都においては、本格的な高齢社会を迎え、老後に不安を感じることがないよう、これまでの施設か在宅かという二者択一から、今は元気でも困ったときには必要な支援が受けられるケア付き住まいという新しい選択肢が必要であるという観点から、ご指摘のとおり、全国に先駆けた東京モデルを提案いたしました。その内容は、まず1つといたしまして、中堅所得層が高齢期に安心して暮らすことができるよう、適切な負担で入居でき、緊急時対応や安否確認の機能が備わり、必要な場合は介護サービスの利用が可能なケア付き住まいを供給するというものでございます。また2つ目といたしまして、静養ホームたまゆらのような火災事故を繰り返さないためにも、低所得で身寄りがなく、ひとり暮らしが困難な高齢者に対応するため、国が定める全国一律の基準では、地価が高い大都市の事情に適しないことを勘案し、東京都独自の施設基準による都型ケアハウスを提案するというものであります。こうした東京都の動向を踏まえ、本区におきましても前向きに検討してまいります。具体的には、東京モデルであるケア付き住まいにつきましては、都が現在実施しておりますモデル事業について、事業者の応募があった場合には、区といたしましても可能な限り支援してまいりたいと考えております。また、都型ケアハウスにつきましても、本区の地域特性を踏まえ、積極的に民間事業者の誘致を図ってまいる所存でございます。  次に、高齢者に対する実態調査による見守り体制についてのご質問にお答えいたします。本区における孤独死の発生件数は、生活保護世帯だけでも昨年度23件、今年度は10月現在で既に19件となっております。こうした状況を踏まえ、区におきましては、これまで区民ひろばを拠点とする見守りと支え合いネットワーク事業や、新聞、郵便事業者等、地域の様々な方々による見守り体制の整備を進めてきたところでございます。こうした中、今回の調査により把握される高齢者の中には、これまで福祉サービスの情報が届かず、あるいは手続きの仕方がわからなかったために、本来受けられるサービスを受けていなかった高齢者が少なからず存在すると推測いたしております。今後は、こうした世帯に対し、調査結果を基に積極的に手を差し伸べ、高齢者の個々の状態に応じた、きめの細かいサービス提供につなげることができると考えております。また、今後は調査結果をすべて民生委員に提供することが可能になりますことから、高齢者の実態に応じ、メリハリの効いた見守り活動を展開することが可能になると考えております。しかし、中には調査を拒否される方や、調査結果を民生委員に提供することに同意しない方など、民生委員による見守り活動が難しいケースも想定されます。このため、こうしたケースにつきましては、区や地域包括支援センターの職員が主体となり、民生委員と連携して対応し、孤独死の防止につなげてまいりたいと考えております。こうした取り組みにより、ご指摘の「孤独死ゼロを目指して」にあるようなコミュニティ意識の掘り起こしが進み、孤独死の防止はもとより、認知症予防や高齢者への虐待の防止、さらには災害時の援護などにも大きな効果が期待できるものと考えております。  次に、高齢者福祉向上に向けた取り組みについてのご質問にお答えいたします。高齢者が安心して住み続けられる地域社会を実現するためには、まず、在宅福祉サービスを基調に、トータルバランスを図る観点から、地域特性に応じた施設福祉サービスを適切に組み合わせ、高齢者一人一人のニーズに応じたサービスを提供できる体制を確立する必要がございます。このため、区といたしましては、元気高齢者を増やすべく、介護予防施策を充実するほか、今後増加が見込まれております在宅介護者への支援など、厚みのある福祉施策を推進するとともに、さきに触れたとおり、高齢者の住まいにつきましても、本区の地域特性を踏まえた整備に努めてまいります。また、サービスの提供に当たりましては、利用する高齢者がサービスに関する十分な情報を得た上で、必要なサービスを選択できる仕組みの整備が不可欠であります。したがいまして、来年度は実態調査の実施を通じまして、民生委員との連携をより一層緊密にするとともに、地域包括支援センターにおける職員体制の強化を図り、訪問体制を充実する考えでございます。このことにより、ひとり暮らし高齢者等の世帯への情報提供機能が高まり、これまで以上に多様なサービス提供が可能になると考えております。そして、コミュニティ・ソーシャルワーカーや、町会、ボランティアなど、地域の様々な活動主体が情報を共有しながら、連携・協働し、ひとり暮らし高齢者等への見守りの活動を展開することこそ、とりもなおさず地域保健福祉計画で掲げております、新たな支え合いシステムの構築につながる大きな一歩となると考えてございます。区といたしましては、今後、こうした視点から地域全体で高齢者を支えることのできる体制づくりに努めつつ、さらなる高齢者福祉の向上に邁進してまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔吉川彰宏子ども家庭部長登壇〕 ○子ども家庭部長(吉川彰宏) 保育園の待機児童対策についてのご質問のうち、まず、平成22年度に向けた待機児童対策についてのご質問にお答えいたします。  まず初めに、保育ママの充実と保育園の定員拡大のご質問についてでございますが、本区は、既に平成21年度策定の保育計画でお示ししたとおり、待機児童解消のための緊急施策として、既存の認可保育園の受入数の拡大と、保育ママ制度の実施を掲げております。とりわけ、保育ママ制度におきましては、自宅を保育場所とする自宅提供型と、区が施設を用意して保育をお願いする施設提供型の2つの保育ママ制度を実施し、その結果、27人の待機児童を受け入れることができました。今後も、待機児童の発生が見込まれる地域を中心に、引き続き保育ママの確保に努め、さらに7人程度の増員を図りたいと考えております。施設提供型のすくすくルームも今後継続してまいりますので、待機児童の安定的な受け皿としての役割が維持されることとなります。また、公立・私立の保育園の受入数を拡大することで、およそ40人の実質的増員を図りましたが、22年度におきましても既存の保育施設の弾力的運用によって、受入数の拡大を図ってまいります。  次に、待機児童解消のための新たな工夫についてのご質問にお答えいたします。平成22年度に向けての新たな緊急的な対応として、池袋本町一丁目の防災ひろば内にある仮園舎施設を、臨時的な保育施設として活用することを検討しております。この施設は、平成24年度から2年間は近隣私立保育園の改築工事中の仮園舎として利用することとなっておりますので、平成22年度、23年度の2年間について、20人から30人程度の待機児童を受け入れられるよう整備する方向で検討しております。  次に、保育園の新規開設、改築についてのご質問にお答えいたします。本区は、今後も増大が見込まれる保育需要に的確に対応するための抜本的な対策として、認可保育園・認証保育園などの社会基盤の整備に積極的に取り組んでまいります。まず、新規保育園の増設でありますが、待機児童が最も多く発生している東部地域において、平成24年度の開設を目途に、社会福祉法人の運営による定員60人規模の認可保育園が、大塚駅隣接ビル内に設置される予定でございます。さらに、老朽化した認可保育園の大規模改修、あるいは改築の計画を前倒しして実施し、床面積を拡張したり、歳児室ごとの構成を工夫することで、受入数の拡大を図ることとしております。今後5年間に私立保育園3園、区立保育園7園の改修・改築を行い、あわせて一部の園の大規模化を図ることで、およそ120人の受け入れ増を目指してまいります。また、特色ある保育サービスを提供し、利用する上で自由度も高い認証保育園につきましても、保育を支える重要な社会基盤でありますので、現在の4園から、5年間でさらに4園程度の増設を図り、120人の受け入れ増を図っていきたいと考えております。以上、新規、増設、改修・改築計画を実施することによりまして、今後5カ年でおよそ300人分の受け入れ枠拡大を目標として整備に努めてまいりますが、これら抜本的な対策の計画につきましては、今後平成22年度保育計画の素案がまとまり次第、議会にお示しいたしますとともに、区民の皆様にもパブリックコメント制度によってご意見を賜り、年度内に計画として策定したいと考えております。  次に、保育基準の緩和についてのご質問にお答えいたします。これまで、認可保育園の保育環境につきましては、乳幼児の保育の質を確保するために、各歳児ごとに一人当たりの面積や保育士の配置基準などが、保育の最低基準として全国一律に適用されてきました。本区におきましても、待機児童解消のために既存の保育園の受入数を拡大する場合にも、この厳格な保育基準を遵守しておりまして、定員を増やす場合はもちろんのこと、いわゆる弾力化によって受入数を拡充する場合もこの基準に従い、保育室の面積確保や保育士の配置について、適正な範囲で行ってまいりました。先般、厚生労働大臣によって示された、園児一人当たりの保育室面積等を地域によっては緩和することができるとの方針は、これまで保育環境の確保を強く指導してきた国の方針を大きく転換するものでありますので、本区としては慎重な対応が必要であると考えております。ご指摘にもございましたように、待機児童解消のための一時的緊急的な施策であれば、抜本的な対策に至るまでの臨時的措置として有効な方策であろうと考えますが、基準の緩和によって保育の質が低きに流れることがないよう、今後の国、その他、他の自治体の動向を注視してまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。  学校の水飲栓の直結給水方式の導入及び予定についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、貯水槽を経由しない直結給水方式は、よりおいしく、新鮮な水が提供できる効果がございます。しかしながら、老朽化した学校が多い本区におきましては、直結化による給水圧上昇への対処や、老朽化した配管の撤去工事などの課題もあるため、積極的な導入が難しい状況にございます。また、現状では、貯水槽の点検、清掃に努め、子どもたちに安全でおいしい水の供給を確保しているところでございます。そうした取り組みが評価され、東京都教育委員会から、健康づくり表彰として複数の小中学校が受賞することにつながっております。ご指摘のように、直結給水方式には様々な利点がございますので、今後、新築する小中学校につきましては、すべて直結給水方式を採用してまいります。なお、既存の小中学校の直結給水化につきましては、給水設備の状況を十分考慮した上で、経費等も勘案し、可能な範囲で対応してまいります。  以上をもちまして、里中郁男議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○議長(本橋弘隆) 次に、18番議員より、「職員互助会への税金投入を大幅に削減せよ。」の発言がございます。   〔藤本きんじ議員登壇〕(拍手) ○18番(藤本きんじ) 民主・区民豊島区議団の藤本きんじです。質問に先立ちまして、来年度の予算について、少々触れさせていただきます。我々、民主・区民豊島区議団として、本年度も区内の各団体の皆様から、平成22年度予算に関する意見交換会を開催させていただきました。また、地域の方からも多くのご意見をいただいておりますが、その内容は大変多岐にわたり、行政需要の多様化を感じるものでした。また、社会保障に関する要望が大変多く、医療や年金、介護など、将来の不安を訴える声が年々多くなっていることを実感するものでした。豊島区の来年度の予算については、都税収入の大幅な落ち込みにより、特別区財政調整交付金は25億円を超える減収が見込まれると伺っています。増大する社会保障費、特に扶助費の増加は顕著であり、日本経済の景気低迷が長期化すると予想される中、より一層の増分主義予算編成の見直し、施策の優先順位の再検討、歳入の確保が求められる状況となってきました。そのような観点も含め、本日の一般質問では、「職員互助会への税金投入を大幅に削減せよ。」と題し、1点目は、職員の福利厚生費全体を含め職員互助会への一般財源投入のあり方について、2点目は、区民住宅ソシエの歳入確保について、3点目は、子宮頚部がん検診に伴うウイルス検査の併用実施について、4点目は、消えた年金問題への調査協力について、5点目は、その他として自殺対策について、質問及び提案をさせていただきます。  1点目は、職員の福利厚生費全体を含め、職員互助会への一般財源投入のあり方について、質問及び提案をさせていただきます。  平成20年度決算の数字では、一般財源から投入されている豊島区職員互助会関係経費は5,233万円です。平成19年度は5,401万円、平成21年度予算には4,879万円が計上されています。職員の皆さんは百も承知ですが、この数字は、職員の皆さんが負担する職員給与報酬額の1,000分の5の会費に対して、1対1の割合で同額の交付金を区が交付しているものです。ちなみに割合については、平成14年度までは1対0.65、平成15年度は1対0.8、現在の1対1で補助をするようになったのは平成16年度以降です。平成18年度には、世論の批判等もあり、それまで2本立てであった特別区職員互助組合との制度の一本化が行われ、一般財源からの職員福利厚生関係経費の支出総額は減少しましたが、長引く不況の影響で、企業が法定外福利費を大幅に削減している状況を考えると、豊島区における職員互助会関係経費や住居手当などを含めた福利厚生費全体は、かなり高い水準にあるといえます。国家公務員においても、本年7月の人事院勧告において、住居手当のうち新築や購入から5年以内の持ち家に住んでいる職員を対象に、年間3万円、月額2,500円を支給している手当を廃止するよう内閣と国会に勧告すると報道されました。その理由としては、人事院では、民間では自宅の維持管理の補助を目的とする手当はほとんどないとしています。  では、豊島区ではどうでしょうか。ごく一部の例外対象者を除き、ほぼ全員の世帯主である職員に扶養親族を有する者にあっては月額8,800円、有しない者にあっては月額8,300円、持ち家や借家など、ほかの基準はなく、無差別にほぼ全員に毎月支給されています。賃貸住宅に対する住宅手当という考え方は一般的ですが、資産形成につながる住宅ローンや、既に本人または親族が所有している持ち家に住宅手当を一律に出すという考え方は、一般的ではありません。私は、持ち家の世帯主に対する住居手当は、国家公務員に対する人事院勧告の状況も踏まえれば、廃止するべきと考えますが、区長のお考えを伺います。また、民間では考えられない手当としては、自転車通勤に通勤手当を出すという考え方です。現在、豊島区では72人が適用を受けていますが、5キロメートル未満月額2,600円、10キロメートル未満月額5,000円など、最高40キロメートル以上月額1万3,000円と、かなり特殊です。これなどは通勤費ではなく、どちらかというと福利厚生費に含まれるものと考えられます。持ち家の世帯主に対する住居手当同様、廃止するべきと考えますが、区長のお考えを伺います。また、どちらも23区の統一事項ということで、豊島区だけの考え方では制度の変更は難しい状況です。区長会等でご検討いただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。  23区や市町村でも、福利厚生費についての見直しが進んでいます。既に職員互助会への公費支出額をゼロにしている区や、平成18年度の制度一本化の際、譲渡を受けた債権移管の原資のみで運営している区、補助割合を大幅に引き下げている区などもあります。東京都が発表している、「福利厚生事業の状況について」という資料によれば、平成19年度、20年度の2年間で、互助会等に対する公費の支出の廃止をしている区が2区、公費支出の削減が5区、補助等の方式の見直しが3区、公費を伴う事業の廃止が9区、個別事業の見直しは、豊島区を含めほとんどの区で行われています。また、公費を伴う個人給付事業の実施状況においては、結婚祝い金を支出している区が9区、出産祝いが8区、入学祝いが7区、弔慰金が14区、退会給付金が5区、災害見舞金が9区、入院疾病見舞金が9区、人間ドック助成が8区、永年勤続給付が14区、保養施設利用助成が4区、レクリエーション活動助成が5区となっており、全11事業のうち最多の8事業を行っているのが2区、7事業を行っているのが豊島区を含め4区、1つも行っていない区が1区、1事業のみが6区、23区平均は4事業となっています。これらの状況と現在の社会情勢を勘案すると、豊島区においても、そろそろ見直すべき時期にきているのではないでしょうか。公費の負担があるとはいえ、職員互助会は会員である職員の皆さんが負担する会費もあるわけですから、個別の事業の中身に言及することは不適切とも考えられます。私個人の感想ということで聞いていただきたいと思いますが、職員の皆さんが負担している会費は、給与、報酬額の1,000分の5で、平均すると1人約2万円になります。それに対して、互助会の中で最も大きな事業であるカフェテリアプラン事業においては、約85%の会員が2万5,000点、残りの会員は1万5,000点のポイントが付与され、1点1円で旅行やレジャー、自己啓発や地下の売店、その他で利用できるようになっています。生活スタイルが多様化する現代社会において、いくらか公費の上乗せがあるにしても、会費を納めてポイントで返され、使途が限られてしまうということで、本当にメリットがあるのでしょうか。ニーズがあえばよいと思いますが、それより会員負担の1,000分の5の会費を減らして、自由に使えるお金を少しでも増やした方がメリットがあるのではないかと感じています。以上の感想と、前段での公費支出の削減の必要性を踏まえ、現在、職員の皆さんが負担する職員給与、報酬額の1,000分の5の会費負担を1,000分の2に減額し、その総額に対し豊島区は1対1の割合で交付金を交付してはどうかという感想を持っています。職員の皆さんが負担する会費については、単なる私個人の考えであり、私が要望することは何もありませんが、公費負担の部分については、5分の3、60%の削減をするべきと考えます。カフェテリアプラン事業以外の補助給付や、サークル事業補助、厚生事業等は今までどおり運営することが十分できると考えられます。豊島区職員互助会の会長でもある区長のご見解を伺います。  次に、2点目として、区民住宅ソシエについて、質問及び提案をさせていただきます。長引く経済の低迷と、近年のマンション供給過剰も重なり、賃貸住宅の家賃相場は下落傾向が続いています。その影響は、区民住宅ソシエについても例外ではありません。中堅所得ファミリー世帯の定住化と、活力ある地域社会の形成を図ることを目的として、良質な住宅を供給すると施策の目標が示されておりますが、空室数は年々増加し、平成21年11月現在、全324戸のうち30戸、約1割が空室となっています。また、家賃の滞納額も増加傾向にあり、平成20年度は271件44世帯で、2,677万円の滞納があり、さらに回収不能家賃の債権放棄分582万円を含めると3,259万円となり、ここ数年間、滞納額は毎年3,000万円を越えています。空室と滞納世帯をあわせると、実に74件、約23%の部屋が稼働していない状況とも考えられます。年間およそ1億円から1億3,000万円もの一般財源も投入されており、さらに空室が増え、滞納が増え、区の負担を増やすことは避けなければなりません。改善が必要です。  しかし、現在、通年募集をしているソシエ東池袋を例にとっても、約60平米から65平米の2LDKが、収入の区分にもよりますが、管理費を含め約12万円から20万円、さらに年3.5%増加の傾斜家賃制度となっていることにより、税金が投入されているにもかかわらず、決して民間で供給されている賃貸マンションに比べて有利とはいえない状況になっています。それどころか、さきにも述べましたが、民間の賃貸住宅の家賃が下がっている中で、ソシエの家賃は傾斜家賃制度で、現在も上がり続けています。平均居住期間も約8年と短く、目標としている中堅ファミリー世帯の定住化が図られているとは考えにくく、傾斜家賃が高額になってくると転出してしまうという状況になってまいります。また、一旦空室になると、高額になった傾斜家賃を引き継ぎ、新たに入居する人はかなり限られた人だけになってしまいます。建物が古くなるほど家賃が上がり、入居しても家賃が上がる。現在の制度では近い将来大変な空室数と滞納額になることは明白です。一刻も早く対策を講じる必要があります。  そこで、いくつかの質問と提案をさせていただきます。区民住宅ソシエについては、平成7年度より管理が開始されていることより、契約、工事期間等を考えると、恐らく施策の起案、計画は、平成3年から5年頃と想像いたします。まだバブル経済の影響が色濃く残っていた当時の住宅事情を考えると、決して悪いことばかりではなく、施策の必要性も十分に理解ができます。しかし、その後、平成10年を過ぎた頃からは、デフレ、長期の低成長の経済状況は、豊島区の財政状況を見ても明らかでした。募集要件の緩和などは行われてきましたが、なぜ今日まで抜本的な対策を講じなかったのでしょうか。そして、現在の区民住宅ソシエの状況について、どのような見解をお持ちでしょうか。伺います。2、空室数、または空室率について、目標とする数値はあるのでしょうか。あるのであればご答弁ください。また、滞納金額、滞納件数、滞納率についても、数値目標があるのであればお示しください。3、空室対策の抜本的な解決策としては、2つの視点が必要です。1点目は、現在の入居者に長く住んでもらうこと。できれば借り上げ契約期間満了の20年間、ずっと住んでいただけるような対策。2点目は、空いてしまった部屋をいかに早く次の入居者を見つけるかです。1点目、2点目、共通の対策としては、やはり傾斜家賃をやめることです。全17棟の借り上げ管理開始が平成7年から平成17年までで、したがって、契約満了は平成27年から平成37年までですが、現在の傾斜家賃制度では、古い住宅ほど、一旦空いてしまうと家賃が高く、新たな入居者を見つけることが困難になってきます。今後はますますこの傾向が強くなってきます。ここで提案ですが、物件ごとに近隣相場や立地条件等を比較精査し、現在の家賃の数年後の家賃を設定、つまり一定の値上げをして、そのかわり傾斜家賃を廃止してはいかがでしょうか。また、傾斜家賃との選択も可能としてはいかがでしょうか。長く住んでいただける方に有利なものとなるよう、工夫をするべきです。  また、物件によっては、精査の結果、値下げをせざるを得ない住宅もあるかもしれませんが、空室が6カ月以上続くようでしたら、市場性がないと判断し、値下げすることも検討するべきです。2点目の、空いてしまった部屋にいかに早く次の入居者を見つけるかについては、値下げとともに3カ月以上、つまり募集を2回行っても入居者が決まらない部屋については、通年募集とし、さらに民間の事業者へ情報を提供し、一定の手数料を支払っても入居を促進するべきです。現在、豊島区立区民住宅条例第4条では、募集は公募によるものとし、広報紙により広告するとなっていますが、今後ますます厳しさが予想される賃貸住宅の状況を考えると、幅広い情報提供が必要であり、早目に対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。また同時に、募集を2回行っても入居者が決まらない部屋については、現在の申し込み資格の区内在住、在勤の要件についても23区、または東京都在住、在勤にまで広げることも検討してはいかがでしょうか。区民住宅という名称で抵抗があるかもしれませんが、納税の期待ができる中堅ファミリー世帯の誘致と空室による歳入不足を補うためにも検討するべきと考えますが、ご見解を伺います。  最後に、全体的な抜本的解決策としては、契約変更です。空室の多い物件及び今後空室が増えそうな物件、つまり採算性の悪い物件は精査することによって特定することが可能です。物件所有者も特定優良賃貸住宅等の制度を利用し、資金計画を立て、多額な投資をして住宅を提供していただいているわけですから、安易な契約変更は避けるべきですが、事業開始から14年を経過し、社会情勢は大きく変化しました。豊島区の財政状況も大きく変化しています。多額の税金を投入している事業ですから、見直すところはしっかり見直すことも区の責任と考えます。当然、違約金等が発生することも考えられますが、その採算性と物件所有者の保障も考慮し、十分内容を検討し、必要に応じて物件所有者に契約変更を求めるべきです。平成37年まで、長期に続く事業ですから、将来の負担を軽減するためにも検討していただきたいと考えますが、ご見解を伺います。  次に、3点目として、子宮頚部がん検診に伴うウイルス検査の併用実施について、質問及び提案をさせていただきます。本年度は、第2回定例会及び第3回定例会においても、がん対策について、啓発や受診率向上に向けての質問が既に行われておりますので、重複を避け、表題の点のみに絞り伺わせていただきます。  子宮頚部がんは、ほかのがんとは違い、定期的な検診に加え、発症原因とされるヒトパピロマーウイルス検査を受けることにより、発症のリスクを精密に把握することが可能で、さらに先般承認された感染予防ワクチンを接種することにより、ほぼ100%予防ができるがんです。ヒトパピロマーウイルス検査はいたって簡単で、通常の子宮頚部がん検診で採取した細胞を使い検査ができるため、子宮頚部がん検診を受けた方は、本人の同意をいただくだけで、それ以外の手続きや新たな検査は必要ありません。個人的に検査を受けようとした場合は、保険適用外で自費になります。病院等にもよりますが、検査費用はおよそ4,000円から2万円と幅広く、また高リスク、低リスク、型判定など、検査の種類もいくつかあります。自宅でできる郵送の検査キットなどもあり、がん検診への関心が高く、インターネット等で多くの情報を収集できる方であれば、適切な対処ができると思いますが、多くの人はそこまで関心が高くないものと思われます。ほぼ100%予防できるがんにもかかわらず、国内では年間約1万人が発症し、およそ3,500人が死亡していると推計されています。現在、豊島区で実施されているがん検診のメニューの中にも、子宮頚部がんの項目があります。20歳以上で偶数年齢の区民の方が対象ですが、その受診率は平成20年度6.4%です。受診率向上のための質問は以前にも出ておりますのでここではいたしませんが、確実に守れる命をしっかりと守っていくことは、政治と行政の最も重要な役割です。  そこでいくつかの提案をさせていただきます。1、第1段階の要望として、区のがん検診、子宮頚部がん検診において、希望者に対し、ヒトパピロマーウイルス検査を無料で併用実施し、発症リスクを把握できるようにしていただきたいと希望いたしますが、いかがでしょうか。ちなみに、私の調査したところでは、自治体が検査を委託した場合、1件当たりの検査費用は4,500円ほどで可能と思われます。また通常の子宮頚部がん検診を受けた方のうち、ヒトパピロマーウイルス検査まで希望する方はおよそ40%と想定いたします。本区の平成20年度子宮頚部がん検診の受診者数は3,792人ですが、今年度のがん撲滅キャンペーンや検診無料クーポン券の配付等の影響で、来年度のがん検診受診者は大きく伸びると担当部署では想定しています。来年度の子宮頚部がん検診の受診者数を、仮に本年の2倍の7,584人と想定すると、40%が併用検査希望者として3,034人、1人当たりの検査費用を4,500円とすると、予算額は、事務経費を除き1,365万円となります。2、第2段階の要望としては、第1段階の要望が難しい場合は、5歳から6歳刻みの節目年齢で無料検査を実施していただきたいと要望いたします。3、第3段階の要望としては、第2段階の要望が難しい場合は、現在の肺がん検診同様に、一部自己負担を求めて実施していただきたいと希望いたします。仮に1,000円の自己負担をお願いすれば、単純に引き算をすると、事務経費を除き予算額は1,062万円ですが、恐らく一部自己負担を求めると、検査希望者数は半減すると考えられます。およそ500万円ほどの予算が必要となります。4、最後に第4段階の要望としては、第3段階の要望が難しい場合は、現在実施されている無料の子宮頚部がん検診の際、希望者には全額自己負担でも同時に検査ができるように、ヒトパピロマーウイルスの検査項目を追加していただきたいと要望いたします。通常の子宮頚部がん検診で採取した細胞を使い検査ができるため、心身への負担もなく、費用も恐らく4,000円から4,500円ほどの自己負担で可能と考えます。また、がん検診の案内書に、適切な検診でほぼ100%子宮頚部がんは予防できることや、ヒトパピロマーウイルス検査の重要性、予防のためのワクチンの接種が承認され可能となったことなどを掲載していただくことで、広く予防の知識を啓発することができると考えますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。  次に、4点目として、消えた年金問題への調査協力について伺います。  この度の政権交代に至る一番大きなきっかけとなったのは、消えた年金問題が発端になったことは誰もが認めるところです。5,000万件以上もの年金の納付記録が、誰が納めたものかもわからなくなっているという事実が発覚したことで、当時の政府は信頼を失い、政権が大きく揺らぎました。それとともに、その解決策について、方法や期限、社会保険庁に対する対応など、すべての作業が後手に回り、ますます政府としての信頼を失うこととなりました。当然のことですが、年金に対する国民の関心度は非常に高く、新政権に求める施策の中でも年金制度の改革、正常化は常にトップクラスの課題として取り上げられ求められています。  そのような国民の意識や期待を受け止め、地方自治体からも独自に調査を行う動きが出てきました。名古屋市では年金番号や氏名が間違っているケースなど、解決の可能性の高い約4,000件について、自治体の保有する個人情報と照合するとしており、そのうち約9割が把握できる見込みで、10月末現在、約360件の対象者が判明しています。神戸市においても、社会保険庁の調査で持ち主を特定できたもののうち連絡先がわからない受給者について独自調査を行い、726人の連絡先が判明したという実績も報告されています。地方自治体との協力により実績が上がっていることなどを受け、厚生労働大臣の指示の下、社会保険庁では、各自治体に向け、11月13日付で自治体への協力を文書で要請したと伺っております。池袋社会保険事務所への聞き取りでも、同様の協力要請を豊島区に行ったと伺っております。消えた年金問題は、原因は様々な要因があるにしても、現在の状況を考えれば、一刻も早く解決し、豊島区民を含め国民全体が年金制度に対して信頼感を取り戻してもらわなければなりません。さきにも述べた神戸市の例でも726人の連絡先が見つかったにもかかわらず、既に47人が死亡しており、24人は市外へ転出していました。遅れれば遅れるほど特定も困難になり、迅速な対応が求められています。豊島区としても最善の協力体制を整え進めていただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。  そこで今後の進め方や調査方法などについて、いくつかの質問と提案をさせていただきます。1、社会保険事務所より3項目について協力要請があったと伺っています。1点目は、豊島区保有の個人情報の提供について、2点目は対象者に対して電話調査の依頼、3点目は、同じく対象者に対して訪問調査の依頼です。対象件数など、まだ詳細については不明のようですが、どちらにしても人手が必要となる作業です。名古屋市においては、河村市長が苦しんでいる納税者へのせめてもの感謝の気持ちとして、ボランティアでやるとして、国からの委託料を受け取らない考えを示しました。真っ先に独自調査を表明し実施したことも含め、地方自治体が国家のために何ができるのかという観点では、大変に共感するところが多分にありますが、財政状況等も勘案すると、豊島区においては緊急雇用対策の特別財源など、利用できる財源などがあれば積極的に利用して人件費を捻出していただきたいと要望いたしますが、人員確保についてのお考えを伺います。2、社会保険事務所より協力要請があった、1点目の個人情報の提供についてですが、申し上げるまでもなく、個人情報の取り扱いについては最大限の配慮が必要です。また、社会保険事務所から提示される対象者のリストについても同様に最大限の配慮をしなければなりません。年金の信頼回復を目的として進める作業において、個人情報保護に事故が起こり、信頼を失うことがないように、第三者への情報提供の有無も含め、その取り扱いについて慎重を期していただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。3、最後に協力体制についてですが、社会保険事務所と豊島区双方が相手任せにしないで対応していただきたいと要望いたします。社会保険事務所の方では電話調査と訪問調査を豊島区に求めていますが、個人の年金加入の状況や感情にも配慮が必要であり、特に年金に対して不信感を持っている方に、少ない情報で、豊島区が対応して、トラブルなどが起こらないよう注意をしていただきたいと思います。また、個人情報だけを豊島区から社会保険事務所に提供するようなことについても同様に注意をしていただき、双方の協力の下、公的年金の信頼回復につなげていただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。  最後に、その他として、自殺対策について伺います。第3回定例会でも質問がありましたので、重複しないように1点に絞って伺います。  大変悲しいことですが、今年、私の身近な人が2人も自殺で命を落としてしまいました。お1人は経済的な理由によるもの、もう1人の方はうつ病によるものと思われます。日本は世界第2位の経済大国でありながら、11年連続で国内の自殺者は3万人を超え、豊島区においても、毎年70人ほどが大切な命を落としています。自殺対策基本法の施行等もあり、豊島区においても相談窓口の開設や講演会の開催など、対策を講じていただいておりますが、その数は一向に減る様子はありません。私が感じるところ、一言誰かに相談ができれば助かった命も多くあったのではないかと思います。また、その人が発する自殺のサインに気付いてあげることができれば、さらに多くの人の命が助かったのではないかと想像いたします。豊島区でも同様の観点から、自殺のサインに気付き、見守り、専門の相談機関につなげるゲートキーパーの養成研修を行っています。今年度は250人が研修を受けられたそうですが、より多くの方に研修を受けていただき、ゲートキーパーを増やしていただくことで、自殺の前兆のある方に遭遇する可能性も高くなります。ぜひ、ゲートキーパーの養成を、さらに進めていただきたいと要望いたします。区役所や行政機関の各種相談窓口の職員の皆さんはもとより、町会の方や青少年育成委員、保護司や地域パトロールのボランティアの方々など、地域で活動する皆様にも、積極的にゲートキーパーの養成研修を受けていただけるよう、広報してはいかがでしょうか。豊島区の今後の自殺対策への取り組みも含め、ご見解を伺います。  以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの藤本きんじ議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  我が国の経済は、昨年来の大不況から依然として落ち込んだ状況が続いており、来年度の区の財政運営もかなり厳しいものになると想定しております。そのような財政状況にあって、行政サービスの水準を維持するためには、身の丈に合わせて、歳出を極力抑制していくことが不可欠になっています。職員互助会への一般財源投入のあり方についてのご質問のうち、まず持ち家世帯に対する住居手当の廃止についてのご質問にお答えいたします。住居手当制度につきましては、導入当初から国が家賃補助及び住居維持費用の補填を目的にしているのに対し、特別区は住居費の補完を目的にしているため、支給要件などの制度内容が異なっております。そのことから、本年の特別区人事委員会の勧告に、住居手当制度の見直しが含まれなかったものと認識しております。しかし、住居手当制度のあり方については、国や他団体の動向を勘案いたしまして検討していくことになっておりますので、今後、見直しの勧告が出された場合には、その内容を尊重してまいりたいと思います。  次に、自転車通勤への通勤手当の廃止についてのご質問にお答えいたします。通勤手当は、実費補償の性格を持った手当であり、税法上も非課税とされております。交通機関を利用する場合は、実質額がはっきりしておりますが、自転車通勤の場合は、自転車の購入や維持の経費に相当する額が手当額になっています。実費補償という点では、交通機関を利用する場合と異なるところはありませんので、廃止することは難しいと考えております。  次に、区長会等での検討についてのご質問にお答えいたします。先程申し上げましたように、人事委員会において、手当についても検討を続けていくということでありますので、その経過を注視していきたいと考えております。  次に、公費負担部分の60%削減についてのご質問にお答えいたします。職員互助会は区の組織ではありませんので、どのような事業を実施するかは総会で決定することになっており、区が見直しを指示できる立場ではありません。また、会費負担の見直しについても、職員互助会が自主的に判断すべきものでありますが、公費負担をどうするかについては、区が判断することができるわけであります。福利厚生事業を実施すること自体は、地方公務員法において地方公共団体の義務とされています。しかし、どのような福利厚生事業を実施するかは、その時々の社会情勢や、区の財政状況を勘案して決定されることになっているわけであります。今までの職員互助会への交付金についても、区の財政状況等に応じて増減を繰り返しておりますので、現在の区の財政状況からしますと、公費負担部分について、具体的にご質問の水準まで削減できるかどうかは、今後検討することになっておりますが、当然、見直しの対象にすべきものと考えております。  次に、消えた年金問題への調査協力に関するご質問のうち、まず人員確保の考え方についてのご質問にお答えいたします。  ご指摘のとおり、名古屋市が独自に行っている記録問題への取り組みの成果を踏まえ、社会保険庁から全国の自治体に対し、年金記録問題の解決に向けた調査協力の要請がございました。協力要請の内容は、ご質問にありましたように、まず対象者の個人情報の提供、次に区職員による電話での記録確認調査、また区職員が戸別訪問して行う記録確認調査の3段階となっております。本区においても、先月中旬、池袋社会保険事務所長が来庁し、協力要請を受けましたが、対象者の総数や詳細な調査方法、また実施期間など、現時点では基本的な事項が不明でありまして、この点について、至急明らかにするよう要望したところでございます。区といたしましては、年金記録の回復促進を我が国全体の重要課題と受け止め、調査内容の詳細が明らかになった後、可能な限り協力する方向で検討していきたいと思います。ご質問の人員確保の考え方でございますが、緊急雇用創出事業の活用といったご提案もありましたが、今回、協力要請のあった年金記録の確認調査につきましては、対象者のプライバシーを厳重に守る義務が生じること、また年金制度に関する高度な専門知識が必要となることから、基本的には国民年金の所管部・課の職員に担当させる方向で検討したいと考えております。  次に、調査協力の際の個人情報の取り扱いについてのご質問にお答えいたします。社会保険事務所に対し個人情報を提供することとなった際は、ご指摘のとおり、最大限の配慮が必要であると認識しております。したがいまして、協力に当たっては、その内容を個人情報保護審議会に諮問し、また、社会保険事務所との間で、個人情報保護の遵守に関する覚書や協定書を締結することなどを視野に入れて、十分に慎重な取り扱いが確保されるよう取り計らってまいります。  次に、社会保険事務所と区の協力体制についてのご質問にお答えいたします。年金記録問題の解決に関する権限は、社会保険庁に属しておりまして、本来であれば、社会保険事務所が責任を持って対応すべきものと認識しております。しかしながら、一方で、この問題の対象となっている区民の方々の年金記録を回復させることは大変重要であると考えております。このようなことから、電話調査などを行うことになった際には、社会保険事務所に対しまして、必要最大限の情報やマニュアルの提供などを求め、トラブル等が発生しないよう、相互に協力をしてまいります。また、区から情報を提供する際には、情報の種別や、区における管理方法などを十分に説明をいたしまして、適切な管理が行えるよう、密接に連携して取り組んでまいりたいと思います。  なお、私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては関係部長から答弁いたさせます。   〔増田良勝都市整備部長登壇〕 ○都市整備部長(増田良勝) 区民住宅ソシエの歳入確保についてのご質問にお答えいたします。区民住宅は、平成5年の特定優良賃貸住宅の促進に関する法律に基づき、当初、義務教育の子を持つファミリーの中堅所得層等を対象として、居住環境が良好な賃貸住宅の供給を目的とした事業です。23区では、19区が6,130戸の管理運営を行っております。豊島区では、平成7年度より管理を開始し、現在すべてが20年間、民間からの借り上げ住宅で、17団地324戸となっています。新築時の募集倍率は、3倍から10倍を超える人気があり、空き家の募集待ちの状態でしたが、平成15年5月の空き家募集時で、倍率が初めて1を下回り、空室が生じて現在に至っております。その大きな要因として、ソシエ南池袋第二を除く16団地、312戸で、新築時に契約家賃の半額程度で提供し、それを20年間で契約家賃に近付けるため、毎年3.5%の値上げをする傾斜家賃制度を採用しているからでございます。その差額分を国と都の家賃補助と区で負担をしています。当初一番安い部屋の家賃は6万7,800円でしたが、現在では10万9,100円となっています。14年間、3.5%の上昇分として、4万1,300円の値上げとなっております。また、同額所得でも、毎年3.5%の値上げが今後も続きます。住宅が古くなるのに対し、毎年の値上げとなる傾斜家賃制度は、最近の入居者に理解が得られなくなっているのが現状でございます。  まず、抜本的な対策及び現在の状況についてのご質問にお答えいたします。これまで、固定資産税の評価額に大きな変動があったときに、家賃の値下げ交渉を行い、大半のオーナーには家賃値下げのご協力をいただいているところでございます。また、住宅への入居資格について、条例や規則の改正により緩和してまいりました。現在の状況については、20年度末で324戸中30戸、9.3%の空室は、少し多いと認識しております。  次に、空室・家賃滞納の目標値についてのご質問にお答えいたします。空室率については、退室から募集までに、室内のリフォームや公募の期間があることや、空き家募集には一定の戸数が必要となります。そのため、5%程度の空室率は、一般的にはやむを得ないと思われますので、区の住宅規模では16戸程度の空室が限度ではないかと考えております。また、家賃滞納の目標値でありますが、20年度の使用料の収納率は、区民・区営・福祉住宅を含めて98.6%となっておりますので、滞納率は1.4%です。住宅使用料は住宅の入居という利益を受けておりますので、可能な限り100%の収納率を目指します。問題は、滞納繰越分でございまして、収納率は20.4%で、滞納額は2,309万4,000円が20年度末の額です。現在、入居中で滞納のある方については、分納誓約に基づき収納に努めております。しかし、退出者の滞納については、例えば裁判で勝訴しても、財産がなければ滞納者からの徴収は困難です。このため、現年度分の収納を重視して、滞納が生じないように今後とも努めてまいります。  次に、空室対策の抜本的解決策のご質問のうち、一定の値上げと傾斜家賃の廃止、または傾斜家賃の選択についてのご質問にお答えいたします。家賃設定は、土地等の評価、固定資産税、近傍同種家賃等を参考に決めることになっております。算定内容を変える場合には、オーナーか、または区の変更を要求する側が、その裏付を証明する必要があります。今後も家賃算定内容に変化があれば、オーナーと値下げ交渉を行ってまいります。また、傾斜家賃制度廃止または選択については、建築申請時に傾斜家賃と期間等を設定し、国と都の家賃補助を受けておりますので、自由に変更することはできません。ただ、契約変更しないで3.5%の値上げを凍結し、その凍結した部分を、財政状況にもよりますが、区で負担することは可能であると考えます。例えば、1から5の所得区分のうち、一番低い月額所得20万円から26万8,000円の区分1の層の147世帯に対して、3.5%の値上げを凍結し、その部分を区の負担とし、凍結により22年度で空室が4戸埋まったと仮定したケースでは、凍結部分の歳出として362万4,000円の増となり、これに対する歳入は、国や都の家賃補助と使用料等で652万8,000円の増の差し引き、290万4,000円のプラスとなります。ただし、今後、新たな入居者が増えないと、3年目でマイナスとなります。傾斜家賃の凍結は、募集時の有効な手段と考えられますが、まず、先程述べました、所得区分1の層の区民住宅の入居促進の方法として、検討を加えてまいります。  次に、6カ月以上の空室の家賃値下げについてのご質問にお答えいたします。現在の家賃設定方法は、一定の要件の下に、1平方メートル当たりの単価価格で決められております。したがって、現状では、同じ広さの部屋では同額の家賃設定となります。  次に、通年募集及び民間事業者への情報提供による入居促進についてのご質問にお答えいたします。空き家募集は、19年度で年2回を、今年度から年4回に増やしておりますが、さらなる公募回数の増加をしてまいります。また、通年募集についても、長期間空室の住宅についても追加をいたします。さらに、民間事業者への情報提供につきましては、一般的な情報提供は可能ですが、入居手続きまで依頼する場合には、委託契約等が必要になります。また、その場合は、住宅課と二重の窓口となりますので、現状のままと考えております。これまで住宅課では、区民住宅の空室対策として、区内の大企業や大学等の事務局を訪問し、社宅や大学の寮としての活用を働きかけましたが、内部で不動産関連部署が設置されており、成果はありませんでした。しかし、今後とも様々な手法を検討し、PRに努め、空室の解消を図ってまいりたいと考えております。  次に、申し込み資格の拡大についてのご質問にお答えいたします。平成17年度より今日まで、入居資格の緩和策として、義務教育終了前の子の条件や、年齢制限の廃止、入居人数の緩和、昨年より、区在勤でも可能に変更をいたしました。しかし、ご提案のように、豊島区に在住、在勤以外の区外にまで拡大をいたしましても、23区のほとんどの区が区民住宅を管理しておりますし、周知方法も限定されますので、効果についてはあまり期待できないのではないかと思われます。  次に、契約の変更についてのご質問にお答えいたします。オーナーと区は、20年間の契約とともに家賃保証をしておりますので、契約変更は、オーナーにより、銀行等の借り入れのローンの返済計画の変更を求められるケースが考えられます。さらに、契約変更は違約金が生じるだけでなく、国や都からの家賃補助を受けておりますので、区が補助金の返還請求を受けることにもなります。これらを考慮いたしますと、契約の変更は非常に困難と考えております。したがいまして、19団地の区民住宅のうち、17団地については、今後5年から8年間で20年の契約満了を迎えますので、この期間は先程も述べましたような対策を講じまして、区民住宅の空室の適正管理に努めてまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔若林弘司健康担当部長登壇〕 ○健康担当部長(若林弘司) 子宮頚部がん検診に伴うウイルス検査の併用実施についてのご質問にお答えいたします。現在、子宮頚部がんのほとんどがヒトパピロマーウイルス(HPV)によって発症すると考えられています。HPVの感染の有無を調べるHPV検査につきましては、欧米などでその有効性に関する声明が発表されておりますが、厚生労働省の子宮頸がんガイドラインにおきましては、死亡率減少効果などの検証データが不十分であるため、自治体が行うがん検診としては推奨される段階に至っておりません。現在、区が実施している細胞診検査と、ご提案のHPV検査の併用につきましては、それによって検診精度が向上するというデータは日本産婦人科学会でも発表され、その有効性につきましては認識しているところでございます。また、現在のところ、HPV検査を併用している自治体は、金沢市や島根県などごく一部にとどまっております。ご提案の4つの方法につきましては、区の財政負担、自己負担のあり方などの課題がありますので、厚生労働省のガイドラインに沿っていない現時点では、区が実施すべきか、また費用対効果を十分に検証すべきであると考えております。来年度には、本区におけるがん予防の総合的な計画となる、がん予防計画を策定するため、学識経験者、三師会などで構成する、(仮称)がん対策推進会議を設置いたします。いずれにいたしましても、ご提案につきましては参考にさせていただき、この会議での議題に上げ、その実施の有無や実施方法について検討してまいります。  私からの答弁は以上でございます。   〔村主千明池袋保健所長登壇〕 ○池袋保健所長(村主千明) ゲートキーパー養成を含む自殺対策についてのご質問のうち、まず、ゲートキーパー養成をさらに進めることについてのご質問にお答えいたします。平成21年版自殺対策白書によれば、ご指摘のとおり、11年連続で国内の自殺者数は3万人を超え、豊島区でも様々な自殺対策を講じていますが、平成18年の自殺対策基本法の施行後に取り組みが強化されてきた状態にあります。その1つがゲートキーパーの養成で、今年度は区民の身近で援助活動をされている民生委員・児童委員の方にその役割を果たしていただきたいと考え、9月に養成研修を実施いたしました。今後もゲートキーパーを増やすことは重要だと思われますので、区職員向けの養成研修とともに、ご質問を踏まえ、地域で活動する方へも対象を拡大し、広報などを活用して周知してまいります。  次に、今後の自殺対策への取り組みについてのご質問にお答えいたします。今年度は、9月の自殺予防月間に、こころの健康カードの配布や、広報特集記事を掲載して、保健所の相談窓口を周知したところです。4月から9月まで月平均2.7件であった相談件数が、10月だけで21件と増加しました。相談内容の分析対策として、まだ不十分な点もあると認識しており、今後も相談窓口の周知を含めた取り組みを強化してまいります。  また、自殺に至るまでには、家庭問題、健康問題、経済・生活問題など、複数の原因・動機が関連しております。そのため自殺に関する区の現状分析を行い、本年第3回定例会における区長の答弁とおり、WHOの推進するセーフコミュニティの実現に向けて、地域住民等と行政との協働による取り組みを進めていきたいと考えております。  以上をもちまして、藤本きんじ議員のご質問に対する答弁を終わります。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(本橋弘隆) この際申し上げます。
     議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後3時17分休憩 ───────────────────◇────────────────────   午後3時42分再開 ○副議長(小林俊史) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  議長の都合により副議長の私が議長職を務めますので、よろしくお願いいたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(小林俊史) この際申し上げます。  本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(小林俊史) 一般質問を続けます。  次に、12番議員より、「人に優しい 魅力ある豊島をめざして」の発言がございます。   〔高橋佳代子議員登壇〕(拍手) ○12番(高橋佳代子) 私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、「人に優しい 魅力ある豊島をめざして」と題し、1、財政について、1、福祉施策について、1、子育て支援について、1、がん対策について、1、副都心隣接地区の今後のまちづくりについて、1、その他として読書について、一般質問を行います。  第1に財政について質問をいたします。平成20年のリーマンショック以降、未曾有の世界的金融危機から急速な景気の悪化へと転じました。税収も大きく落ち込み、今後の財政運営が難しい時代となりました。都税収入は前年度より1兆円以上落ち込む見通しであり、財政調整交付金も削減は免れない状況となっております。今後、財政調整交付金が本区の当初算定から25億円を超える減収になることが予想されておりますが、国の予算についてもいつ固まるのかは定かではなく、不安定要素は大いにあります。当然、試算はされていると思いますが、22年度の予算編成について、本区のお考えを伺います。また、来年度以降の予算編成も、より厳しくなることが予想されます。基金の取り崩しも視野に入れながら、より身の丈に合った財政運営に努めなければなりません。しかし、国の方針をそのまま受けるだけではなく、しっかりと区民の声を聞き、ご理解いただいた上での財政運営が求められます。来年度以降の財政運営の考え方についてお聞かせください。この財政調整交付金の当初予算から17年ぶりの減額という方針を受け、各区にも動きが出てきております。板橋区は庁舎改築を一時凍結され、足立区などは基金を取り崩すとのことであります。本区の新庁舎建設については、板橋区とは違うスキームになっておりますので、直接財政状況が建設の有無を左右することはないと考えますが、現庁舎の活用等は景気にも大きく左右されます。しかも、財政状況が厳しくなれば、区民からは新庁舎建設についての心配の声が上がるのは明らかであり、より区民に対して丁寧な説明が必要となります。旧池袋保健所や、旧中央図書館の例もありますので、もしものことを考えて十分に試算をし、方策を検討していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。  先週まで、政府の行政刷新会議が事業仕分けを行い、来年度予算の概算要求から無駄を洗い出す作業を本格化させている様子が連日報道されていました。そもそもこの事業仕分けについては、無駄削減を進める有効な手段として公明党が提唱し、行政改革推進法に定められたことは周知のとおりであります。従来ですと、概算要求額が事前に政府・与党で決定されてきた概算要求基準、いわゆるシーリングに基づき、各府省から要求が出される前の段階で一定金額以内、21年度については約89兆1,000億円に収まるように調整されていました。その上で、予算編成過程での査定や、政府・与党での折衝によって政府原案が決定されてきたわけであります。しかし、22年度については、シーリングを設けていないため、約95兆円に上る水膨れ予算が要求されております。予算の節減効果を出すためには、21年度当初予算額を超えない範囲に収める必要がありますが、事業仕分けにおいても1兆6,000億円の削減にとどまり、財政は21年度に比べても一層悪化することが予想されています。国民に見える形で情報開示されたことはよかったと思いますが、本来の事業仕分けは予算編成前ではなく、根っこから制度自体を問いかけ、地方に委ねるなら相当の打ち合わせをして行うべきであり、例外なし、根っこから、パフォーマンスではなく影響する多方面によく目配りをして、時間をかけてという原則でやるべきだとの声も多く聞かれます。事業の必要性を問うことはその事業を定めた制度や事業を担う組織の見直しにもつながります。単に削減額を積み上げるだけではなく、文字どおり将来の行政の刷新につながる議論を期待したいと思いますが、この事業仕分けがどのように予算に影響してくるかは不透明であります。廃止や削減となった事業も多くある中で、本区への影響についてご認識を伺います。子ども手当、税制改正による所得税の問題、自動車関連諸税の暫定税率廃止によるもの、中小企業の法人税率引き下げ、年金受給者への税負担軽減、さらに生活保護費の母子加算復活など、これらの事業は国で100%負担するものであれば課題は少ないと思いますが、児童手当や生活保護費の区の負担の現状を考えますと、区財政にも多大な影響を及ぼし、深刻な問題となってまいります。事業仕分けの報道がされる中、私たちの街の予算はどのように編成され、私たちの税金がどのように使われているのかという区民の意識は今後ますます深まっていくと考えますが、区長はこうした納税者の区民ニーズに対し、どのように応えていくのか、お考えをお聞かせください。  第2に、福祉施策について伺います。  1点目として、視覚障害者の情報バリアフリー化について伺います。全国の視覚障害者は約31万人以上存在するといわれており、病気を原因とする途中失明者の増加などにより、点字を利用できない人が全体の9割を占めております。ほとんどの視覚障害者が活字文書への情報アクセスが非常に困難であり、各種の契約書や申請書、税金や年金、防災・防犯情報、行政サービス情報など、日常全般にわたってその内容がわからず、著しい情報格差にさらされております。そうした格差を埋める技術として開発されたのが音声コードであります。この音声コードは約800文字の情報を記録できるバーコードで、活字文書読み上げ装置を使えば、音声で文字情報の内容が読み上げられ、視覚障害者は耳でその内容を知ることができます。約2センチ四方の音声コードは、専用ソフトを使ってパソコンで文書を作成すると、自動的に添付されるようになっております。既に年金定期便の封筒にも印刷され、年金記録データも23年度より音声コード化される予定であり、個人情報を視覚障害者ご本人が確認できるようになります。  平成15年に厚生労働省より、音声コード活用の活字文書読み上げ装置が日常生活用具に認定されましたが、現実には持ち運びに不便である等の理由から、これまでの広がりはいま一つでありました。しかしながら、携帯電話の大手製造メーカー3社が音声コードを読み取り、音声化できる携帯電話の開発に取り組まれており、早ければ来年販売される見通しであると伺っております。そうなりますと、音声コードの普及は一段と加速して、情報発信者の姿勢が問われてくることになります。平成16年度に改定された障害者基本法の第3条第3項に、何人も障害者に対して、障害を理由として、差別すること、その他の権利利益を侵害する行為をしてはならないと規定されておりますが、現状は、情報提供の面で大きく立ち遅れております。しかし、携帯電話が活用できるようになりますと、全盲者のみならず、弱視者、高齢者、外国人等への利用拡大の可能性が広がります。既に世田谷区や北区などは、行政情報の音声コード化を開始しておりますが、本区としましても、ぜひ積極的に取り組むべきであると考えますが。お考えを伺います。また、東京都も本格的な音声コード化の取り組みを開始するため、来年1月に、導入に向けた研修会を3,000人規模で開催される予定となっており、行政情報の音声コードマニュアルも作成されるとのことであります。既に全国各地の自治体も行政情報の音声コード導入へ向け、積極的に研修会を開催しております。この研修については、視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業として、国の補助率は10分の10で行うことができます。ぜひ本区としても実施し、視覚障害者への情報バリアフリー化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。積極的なご答弁を期待いたします。  2点目として、発達障害者支援について伺います。私が平成19年第4回定例会の一般質問で提案させていただきました、発達障害者支援検討会につきましては、現在、担当部局の縦割りを超えた支援のあり方について検討していただいており、大変期待をいたしております。これまでライフステージによって支援のあり方や、担当部局が違い、課題も多くあったかと思いますが、同じ場で協議することによって共通認識もでき、支援の方向性が見えてくることもあるかと考えます。23年度には具体的な支援のための施策を予算に反映していくと伺っております。現在、どのようなスケジュールで検討を進められておられるのか、また今後の課題についてお伺いいたします。  現在、区内の発達相談は年々増加しており、その発達相談の割合はすべての相談の6割を超える状況にあります。私は豊島区の実態を調査し、実情に沿った支援の施策を展開するべきと考えます。発達障害については、複合障害でない限り、障害者手帳の対象となっておりませんので、正確な人数の把握は非常に困難であり、わからないのが実態であります。グレーゾーンと言われる診断を受けていない場合や、保護者の意志などもありますので、非常にデリケートな支援対象であることは十分承知しておりますが、ぜひこの機会に本区の実態調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、20年度からその支援のあり方を調査研究するための東京都のモデル事業に取り組まれておりますが、今年度でそのモデル事業が終了いたします。その後の施策の展開について本区としてどのようにお考えなのかお聞かせください。  第3に、子育て支援について伺います。  1点目として、子育て環境の整備について伺います。東京都は乳幼児を連れた保護者が外出中に気軽に立ち寄っておむつ換えや授乳のできるスペースの設置を進めております。「赤ちゃん・ふらっと」との通称で、公園や公共施設、その他の小さな子どもを連れて出かける身近な地域に22年度まで600カ所設置することを目標としており、現在341カ所の届出施設があります。これにつきましては、「公共施設の赤ちゃんスペースの設置事業」として、豊島区子どもプラン後期計画に明記されると伺っております。できるだけ多くの公共施設に設置を推進していくべきと考えますが、具体的にいつまでに区内何カ所の設置を予定されているのでしょうか。また、こうした施設は周知が大事であります。区独自の通称名をつけ、子育てガイドブックに掲載し、看板やマークなどを掲げてわかるようにしてはいかがでしょうか。こうした事業は予算がかからず、地域ぐるみで子育て世帯を支える取り組みとして現在注目を集めております。子育て中の保護者が外出しやすい環境を整えるとともに、育児ストレスや子育て家庭の孤立を軽減するのが目的とされておりますので、積極的な取り組みを期待いたします。  2点目は、税制改正による子育て世帯の影響について伺います。鳩山政権は子ども手当の導入を明言されておりますが、その財源についてはこれまでも不透明で、心配の声が多くありました。そこで財源確保策として、所得税の配偶者控除、扶養控除の廃止を打ち出しております。この控除廃止については、保育料や公営住宅の使用料等、区民生活に大きく影響してくることが考えられます。特に保育料については、非課税世帯が控除廃止に伴って課税世帯となるケースも出てきて、そのまま保育料に影響することが考えられます。さらに大変な経済状況の中で、子どもが多い世帯ほど影響が大きいという悪循環になります。これについて、本区のご認識を伺います。具体的なケースを考えますと、夫の年収300万円と妻の年収90万円の家庭で、小学生と1歳児の保育園児がいる世帯については、現在の保育料と配偶者控除、扶養控除の廃止後では保育料にどのように影響してくるのかお伺いいたします。また、せっかく子ども手当が導入されたとしても、支出増になってしまう世帯については、何らかの対策を講じる必要があると考えます。もちろん国がやるべきと考えますが、区の見解を伺います。  3点目として、待機児童対策について伺います。現在、毎定例会で取り上げられ、本区としても保育計画の策定に基づき、待機児童解消に向け全力で取り組まれ、定員の弾力化や認証保育所の誘致、保育ママの拡大等、あらゆる可能性を探っておられることは周知のとおりであります。そんな中、現在、都内では幼保一体化が広がっており、幼児教育と保育を独自に一本化する自治体が相次いでおります。これは18年度に定められた認定こども園の基準が高過ぎて、施設面積や設備などの面で都内での導入は困難であることによるものと考えられます。渋谷区は22年度に区立幼稚園を改修して、1歳から5歳を受け入れる予定であると伺っております。また、杉並区も区内の6つの区立幼稚園を独自の幼保一体施設にするとのことであり、品川区や文京区でも同様の施設が設置されております。現在、既に200名を超す待機児童を抱える本区としても、あらゆる可能性を探る必要から検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、文京区の空き教室を利用した無認可保育所等も、既存の施設で早急に実施できる方策であると考えますが、いかがでしょうか。子育て世帯にとって、子どもが預けられなければ働くことができず、ファミリー世帯が本区の中に住み続けることは困難になります。また、国で産休や育児休暇の取得推進を声高に唱えても、保育園に入園できなければ安心して子どもを産むこともできません。ぜひ、あらゆる可能性を検討していただき、早急な対策を講じていただくよう、強く要望いたします。  第4に、がん対策について伺います。私ども公明党は、これまでがん対策の推進を国に積極的に働きかけ、平成19年4月施行のがん対策基本法の制定を推進してまいりました。公明党豊島区議団としましても、これまで様々ながん対策の取り組みを提案させていただき、いよいよ本区として対策推進本部を設置し、高野区長が本部長として陣頭指揮を執られるということで、大変期待をしております。また、公明党がこれまで承認を推進してきました子宮頸がんワクチンも、9月29日に厚生労働省が承認するとの結論を出し、早ければ年内にも国内で販売が認められるようになります。既に110カ国で認可され、約40カ国で定期接種されており、全国で年間2,500人にも上る子宮頸がんによる死者を減らすため、早急な接種体制の整備が求められます。私たち公明党は、命を守る党として検診受診率の向上と、子宮頸がんワクチンの接種費用助成について、今後力を入れて取り組んでいく決意であります。  がん対策基本法第11条第1項には、都道府県においてがん対策推進計画を策定しなければならないとされており、東京都では既に計画策定をされております。本区も計画を策定していくということでありますが、23区レベルでは千代田区ががん予防プランを策定しており、区独自の取り組みを展開されております。国のがん対策推進計画では、平成23年度中にがん検診受診率50%以上を目標とすることが明記されており、がん検診の受診率が低い本区の実態を考えますと、計画策定を急がなければなりません。計画策定は1年かけて行うというより、できるだけ前倒しして策定し、早期に実行に移されるべきと考えます。そこで、本区としての計画策定についての基本的な考え方と、策定メンバーやスケジュールについてお考えをお示しください。また、策定前の実態調査が必要と考えますが、本区のお考えを伺います。  計画策定中においても、検診受診率向上への取り組みについては、積極的に行っていく必要があります。私たち公明党も街角で検診受診率アップを訴えております。本区は昨年に比べ今年度受診率が上がっているとのことですが、現在の状況をお聞かせください。また、計画策定までの当面の取り組みについて、お考えをお示しください。  一方、子どもの死因についても依然としてがんが上位を占めております。白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫などの小児がんはかつて不治の病とされてきましたが、医療の進歩により、現在では概ね7割以上が助かるようになりました。しかし、仮に治癒した場合でも、患者とその家族は長期入院による家計負担、治療中の学業の問題などのほか、進学、就職、結婚、出産など、生涯にわたって様々な困難に立ち向かう必要を余儀なくされております。小児がん患者の療養支援は、現在公費負担となっておりますが、遠距離病院への付き添いによる二重生活や交通費など、いわゆる間接医療費の負担が大きく、特に若年夫婦の家計の負担が大きく厳しい状況にあります。さらに、経済面だけではなく、患者・家族を支えるために必要な取り組みは、小児がんに関する相談、子どもを亡くした家族への支援、小児がんへの理解と偏見をなくすための広報など、多岐にわたっております。本来、国として取り組むべき課題ではありますが、現在、各都道府県のがん対策推進計画に小児がん対策を明記されているところは少数あります。また、先日の第3回定例会での都議会公明党の質問で、東京都はがん対策推進計画改定時には必要な検討を行うと答弁しております。5大がんと言われるものとは多少違うことは十分承知しておりますが、子どもの死因のトップである小児がん対策について、本区の計画の中に明記し、重層的な支援をされたいと考えますが、いかがでしょうか。  また、今後の計画策定の中にがん検診受診率の向上への取り組みが大きな課題になってくるかと思います。様々な自治体が工夫を凝らして挑戦され、受診率向上に取り組んでおられます。例えば、栃木県では足利銀行と東京海上が協定を結び、銀行店舗等でがん検診受診勧奨用リ-フレットを配付したり、企業のホームページ等でもがん検診情報を発信しております。本区にも多くの企業があり、企業としての社会貢献(CSR)としても、十分に検討していく必要があると考えます。また、このような企業の連携については、国の補助金があるとも伺っておりますので、ぜひ積極的に検討していただき、計画の中に加えていただくよう要望いたしますが、いかがでしょうか。  また、がん教育については、前回、公明党の質問で提案させていただき、教育長からも前向きにご答弁をいただいておりますが、東大病院の中川恵一准教授は、中学生向けにがんに関する小冊子を書かれ、がん教育を推進されております。中川先生は特に子宮頸がんが若い世代に多く発症している点に触れ、義務教育の時代にがん検診や予防の大切さを教えることが、がん対策の最大の啓発活動になると強調されております。千代田区のがん予防プランには、子どもへのがん教育については触れられておりませんが、ぜひ本区の計画には、この子どもたちへのがん教育をしっかり明記していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。積極的なご答弁を期待いたします。さらに、一度がんに罹患しますと、在宅医療等の支援も必要となりますし、がん対策を総合的に推進していく窓口となる部署を設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。積極的かつ大胆な取り組みを期待いたします。  次に、第5として、副都心隣接地区の今後のまちづくりについてお伺いいたします。  池袋副都心は、一日の乗降客数271万人という巨大ターミナルである池袋駅を抱え、池袋駅周辺は何でも揃う大変便利な街であります。また、副都心であるにもかかわらず、近隣住宅街から自転車などで気軽に住民が訪れることのできる、非常に生活感のある街であり、それが池袋の魅力の一つでもあります。  現在、高野区長は、池袋副都心グランドビジョンを掲げ、人と環境へのやさしさをコンセプトとして、個性と存在感を発揮する都市づくりを進められておりますが、子育てファミリー世帯にとっては、特に人への優しさについて十分に配慮していただきたいとの声があります。今後、少子高齢化に伴い高齢者や単身者世帯がますます増え、ファミリー世帯が減少する方向にある中で、子育て中、またこれから子育てをしようというファミリー世帯が、ぜひ豊島区に住みたいと思えるまちづくりを進めることが重要であります。例えば、子育て世帯は、希望する学校への通学のしやすさや、保育施設、医療施設などの充実、利便性を重視する傾向にあります。その意味で、ファミリー世帯は通勤に長時間かかる郊外よりも、職場からすぐ自宅に帰れる都心に住みたいというニーズが高いのが実態であります。特に昨今、ワーク・ライフ・バランスが叫ばれる中、女性が働きやすく住みやすいのは、郊外よりもむしろ都心であります。そこで、池袋副都心周辺の住宅地においては、便利で、かつ環境豊かで、安全・安心な職住近接型のコンパクトシティを目指すべきであると考えます。特に現在、地元とまちづくり協議が進んでいる東池袋四・五丁目地区、新庁舎移転に伴う再開発が進む南池袋二丁目地区、補助81号線の用地取得が進む南池袋二・四丁目は、非常に重要な地区であります。これら副都心隣接地区の今後のまちづくりのあり方が、今後の豊島区の人口構成のあり方を左右すると言っても過言ではありません。このような観点から、これら池袋副都心隣接地区の今後のまちづくりのあり方について伺います。  1点目は、東池袋四・五丁目地区のまちづくりについてであります。既に東池袋四丁目第1地区市街地再開発ライズシティが完了し、現在、第2地区であるアウル・タワーの建設が進んでおります。東池袋駅直結で利便性が高く、中央図書館やあうるすぽっとに隣接しているため、ファミリー世帯にも非常に人気が高いと伺っております。一方、東池袋四・五丁目地区の居住環境総合整備事業は、このような市街地再開発ではなく、地域の状況に即して、地区計画でまちづくりを進めていくと伺っておりますが、これまでの事業の進捗と今後のまちづくりについてお聞かせください。  2点目として、南池袋二丁目B・C地区について伺います。東京のしゃれた街並みづくり推進条例による街並み再生地区の指定を受け、A地区は新庁舎建設を含む市街地再開発が進行中となっております。B・C地区は懇談会をしながら住民の意向を把握すると聞いておりますが、その進捗と今後の方向性を伺います。  3点目として、南池袋二・四丁目のまちづくりについて伺います。C地区の東側に隣接する南池袋二・四丁目では、南池袋二丁目ABC地区の街並み再生地区指定をかけた後、平成18年にアンケート調査をしております。その後の状況と今後の方針についてお聞かせください。  最後に、その他として、読書について伺います。  初めに、子どもの読書活動についてであります。子どもの読書活動の重要性については、これまでも議会で何回か述べてまいりました。しかし国では、11月11日に行われた事業仕分け第3ワーキンググループにより、子ども読書活動の推進事業は廃止、子どもゆめ基金も残念ながら廃止との結論となりました。特に、子どもゆめ基金は、子どもの健全育成の一層の推進を図ることを目的に、民間団体が実施する特色ある新たな取り組みや、体験活動等の裾野を広げるような活動を中心に、様々な体験活動、読書活動への支援を行ってまいりました。そもそもゆめ基金は、子どもの未来を考える議員連盟が基金の設立を発案し、超党派が賛成して法改正が行われております。もちろん仕分け人と呼ばれる与党の国会議員も、8年前は賛成をしているのであります。これを考えますと、大変残念でなりません。  そこで改めて伺いますが、子どもの読書活動について、教育長のお考えをお聞かせください。特に、子どもたちにとって一番身近な読書活動の場が学校図書館であると考えます。文化芸術創造都市として、子どもの読書にどのように取り組まれるのか、全国の自治体が注目しております。図書目録のデータベース化はもちろんのこと、学校司書のあり方や図書ボランティア等、取り組むべき課題は多くあります。そこで、三田教育長が目指されている学校図書館像についてお聞かせください。また、現在、我が会派からの要望で、学校図書充実経費は、小学校38万円、中学校57万円と徐々に拡充していただきましたが、21年度予算委員会でも取り上げさせていただいたとおり、23区で最下位というのが現状であります。その後、ご検討いただいたかと思いますが、ぜひ今までにない大胆な拡充を行い、数年間集中的に予算を確保し、ぜひ都内でもトップクラスの充実した学校図書館を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。学校図書の購入については、校長先生の采配によるところが大きいと伺っておりますが、こういう経済的にも厳しく、活字離れが進んでいる社会状況の中で、ぜひ地元の書店から購入する方策を検討されてはいかがでしょうか。どんな本でも取り寄せは可能ですし、カバーシート等はいかようにも対策が考えられると思います。積極的なご答弁を期待いたします。さらに、学校図書館でいまだにクーラーが設置されていない小中学校があります。夏にクーラーのない部屋で読書を行うことは困難なことであります。この点も6年前から指摘しておりますが、普通教室の設置が終わった現在も、いまだ計画がはっきり示されません。他の特別教室の扱いと学校図書館は違うと認識しておりますので、ぜひ充実した読書環境を整えていただきたいと考えますが、お考えを伺います。  以上をもちまして、一般質問を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの高橋佳代子議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  財政についてのご質問のうち、まず、今後の予算編成についてのご質問にお答えいたします。今定例会初日の招集あいさつで申し上げましたとおり、特別区財政調整交付金の原資となる市町村民税法人分を含む今年度の法人2税が、当初予算より約4,500億円、25.4%のマイナスとなる見込みであり、その影響により、本区においても財政調整交付金の普通交付金が再調整によりまして、当初予算を13億円以上下回るのが避けられない状況であります。加えて、財源対策として予算計上いたしました旧中央図書館跡地についても、急激な不動産市況の下落があり、当初予算で計上いたしました10億5,500万円で売却できる状況にないため、売却はしばらく先送りせざるを得ないところであります。また、その他の財源についても、当初見込みの確保が極めて難しいと考えております。こうした財政逼迫事情がさし迫りつつあるため、11月中旬には、8月に続きまして2度目となる予算執行抑制の徹底を図る通達を行ったところであります。今後、財源不足を解消するため、不用額が大きく見込まれる事業については、補正予算で減額するとともに、歳入の減収の状況によっては、財政調整基金からの繰り入れなどを検討しなければならないと考えております。現在、財源不足額は出ておりませんが、いずれにいたしましても、平成22年度予算編成では、相当厳しい対応をせざるを得ないと考えております。とりわけ国における主要課題、即ち事業仕分けの予算への反映、22年度の地方財政対策と地方税制対策、自動車諸税の暫定税率などに対する影響は、大変心配されるところでございまして、時期を逸せずに、機動的に、本区も対応せねばならないと考えています。  次に、22年度以降の予算編成の考え方についてのご質問にお答えいたします。  最近の円高傾向、デフレスパイラルへの突入、二番底とも心配される経済状況などを考えますと、22年度以降においても、歳入環境は今年度以上に厳しい状況になる見込みでありまして、財政調整交付金の大幅な減収のみならず、昨今の賃金低下などにより、1年前の所得を基に算定される特別区民税や配当割り交付金などの各種交付金も、今年度予算を下回ると想定しております。したがいまして、身の丈に合った財政運営を基本にいたしまして、区民に対する行政サービスの水準をできるだけ低下させないという基本方針の下、国の予算編成の影響を見落とすことなく、全庁一丸となって英知を結集し、より一層の選択と集中を徹底した予算編成を行っていかなければならないと考えております。厳しい財政状況においても、直接現場を担当する部局では、これまでどおり区民の皆様の直接の声や、様々な分野で活動しておられる各種団体などからの要望等を的確に把握し、枠配分予算方式のメリットを十分に生かしつつ、職員の創意工夫の下に、一層、主体性・創造性を発揮した予算編成を徹底していかなければならないと思っております。  次に、新庁舎建設・現庁舎活用に係る試算及び方策の検討についてのご質問にお答えいたします。本区の新庁舎整備は、ご案内のとおり、板橋区等とは異なり、税収等に左右されないよう、市街地再開発事業で整備する計画でございます。再開発事業は、資金の多くを保留床処分金で賄う事業でありますが、現在、保留床をまとめて取得する住宅事業者を参加組合員として早期に確保しているため、今後の景気動向で整備が大きく遅れる等の影響はないものと考えております。一方、新庁舎の床の一部購入資金として予定しております、現庁舎跡地の資金活用につきましては、50年の定期借地契約を想定し、そのうち25年分の貸付料を一括で受け取る試算で資金計画をお示ししておりますが、ご指摘のような景気の変動による不動産市況の状況で、これらの地代も当然変動いたしますので、平成20年9月の新庁舎整備方針の土地等の活用方法の検討の項目の中で、活用する時点での経済状況により大きく異なる可能性があり、随時、検討・試算を行っていきますとお示ししているとおりでございます。しかしながら、今回の資金計画では、そのような経済変動も想定し、一括受け取りとする期間を25年と余裕を持った計画としておりますので、地代が減った場合には、一括受け取り分の期間を長くするなど、経済状況にあわせて柔軟に対応できる仕組みとしております。実際に、現庁舎の土地活用の契約を行うのは5年以上先であり、この間の経済の好・不況の波もありますので、現時点で予想し、数字を確定させることは不可能でございますけれども、借金をしたりせずに、資産活用により新庁舎の整備をするという目標は、十分達成できるものと考えております。区民の皆様に対して、このような仕組みをご理解いただき、ご安心いただけるように、丁寧に説明してまいりたいと考えております。  次に、事業仕分けの区への影響についてのご質問にお答えいたします。  先月11日から27日までの9日間にわたって行われた、過去最大の95兆円に膨らんだ概算要求を圧縮する事業仕分けは、連日マスコミに報道されているように、大変国民の大きな関心を呼びました。449事業の仕分けにより、廃止、予算計上見送り、予算削減をあわせた削減額は7,500億円に達し、公益法人の基金の国庫返納などで捻出できる財源を加えますと、総額1兆9,000億円という数字が発表されております。この中には、例えば市街地再開発事業などのまちづくり関連事業、ICT利活用型教育の確立支援事業や、高効率給湯器導入補助金など、本区の財政運営に影響のあると思われるものが仕分けの対象になっておりましたが、詳細は明らかになっておりません。したがいまして、今後とも国の動向を注視してまいりたいと思います。  次に、納税者の区民ニーズへの対応についてのご質問にお答えいたします。今回の国の事業仕分けにより、国民の間に予算編成への関心が高まるのは望ましいことであると考えております。一方、区の財政状況につきましては、これまでも条例の定めるところに基づきまして、毎年6月と12月の2回、当該年度の予算概要や前年度決算のあらましなどを公表しております。その中で、例えば区の予算がどのような分野にいくら使われているかなど、区民の関心の高い内容についてもわかりやすく説明しております。  また、その他随時、区政の透明性を高め財政への区民参加を促すため、財政白書やグラフで見る区の財政状況等印刷物の発行、区政連絡会における説明、出前講座及びホームページの活用などにより、可能な限り、区民に対する詳細な情報提供に努めており、今後もわかりやすいカラーパンフレットなどの発行、その充実を図ってまいりたいと思います。ご指摘のとおり、今回の国の事業仕分けを契機といたしまして、今後ますます税の使い道や予算編成に対する区民の意識が高まっていくものと考えております。したがいまして、区民の皆さんにとって、予算編成過程が見えるということは大切なことであると考えておりますので、その手法等については先進自治体の例を参考に、十分に研究してまいりたいと思います。  次に、副都心隣接地域の今後のまちづくりについてのご質問のうち、まず、東池袋四・五丁目地区のまちづくりについてのご質問にお答えいたします。  東池袋四・五丁目地区の居住環境総合整備事業は、既に26年を経過しておりますが、この間、防災道路A路線の実現、辻広場や児童遊園の整備、老朽住宅の建て替え促進、従前居住者用住宅の建設等、防災性の向上に積極的に努めてまいりました。しかしながら、1,500戸の老朽住宅等の建て替え促進は、いまだに顕著なものとはなっておりません。そのため、平成20年6月、地区計画制度を活用し、地区内の準防火地域全域に東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制を導入いたしました。このことにより、建て主の建て替えメニューが増え、これまで以上に耐火性能の高い建築物への建て替えを誘導できるように取り組んでおります。また、防災性機能を高める効果を伴う都市計画道路補助81号線の沿道まちづくりに積極的に取り組んでおり、街路事業だけではなくて、共同化を促進するまちづくりにも取り組んで防災性の向上に努めております。この沿道のまちづくりにおいては、地権者等の意向を尊重しながら、最大の課題である防災性の向上のため、未接道宅地の解消や、街区ごとに建物の共同化を図り、オープンスペース等を確保する協議が進んでおります。平成22年8月には、沿道で初めて共同化ビルが竣工する予定であります。この共同住宅は、道路の拡幅により転居を余儀なくされる地権者用の住居を含んだものであり、住み慣れた地域での生活再建を可能にするものとなっております。今後さらに、不燃領域率の向上を図るため、東京都と連携して様々な支援を行い、この地区の目指します安心・安全の防災まちづくりの実現を図ってまいりたいと思います。また、防災道路BC路線の整備でございますが、狭隘な道路を6メートルに拡幅し、緊急車両が進入できる安全なエリアを拡大するもので、現在、用地取得が順調に進んでおりまして、平成22年度には道路整備工事に着手できる予定でございます。このような基盤整備に積極的に取り組み、誰もが住みたい・住み続けたいと思える街になるよう、密集住宅地域の住環境の改善に全力で取り組んでまいります。  次に、南池袋二丁目B・C地区のまちづくりの進捗状況と今後の進め方についてのご質問にお答えいたします。B・C地区では現在、地権者の皆様の意向を把握するためのヒアリングを進めておりまして、共同化への参加意向、街の将来イメージなどについて、区職員が直接皆様方のお宅を訪問し、ご意見を伺っております。進捗といたしましては、B地区のヒアリング状況は、現在6割強でございます。C地区は比較的新しい分譲マンションが1軒ございますが、これを除きますと9割強のヒアリングが済んでおります。個別ヒアリングの結果につきましては、地元に説明する必要がございますが、C地区は12月9日に地権者説明会を開催する予定でございますので、その際、ヒアリング結果をご報告いたしたいと思います。B地区につきましては、まだお会いできない方もおりますので、年度末に開催を予定しております地権者説明会までには、一人でも多くの地権者を訪問して、ヒアリングを積極的に進めてまいりたいと思います。ご案内のとおり、南池袋二丁目地区は、東京都が街並み再生地区に指定し、街並み再生方針に基づくまちづくりを推進することになっております。今後は、ヒアリングの結果を踏まえまして、地権者の皆様と十分協議の上で、B・C地区のまちづくりを推進していきたいと思います。また、ご指摘のとおり、街並み再生方針では、池袋副都心隣接の立地特性を生かして、ファミリー世帯中心の居住機能を充実させることが整備目標の1つとなっております。したがいまして、B・C地区においても、この方針に沿ったまちづくりを積極的に誘導してまいります。  次に、南池袋二・四丁目地区のまちづくりの状況と今後の方針についてのご質問にお答えいたします。この地区は南池袋二丁目街並み再生地区の東側、雑司ケ谷霊園の北側に位置しておりまして、狭隘な道路に住宅が密集し、防災性に課題のある地区でございます。平成17年度に街並み再生方針の策定を目的とした調査を実施しておりまして、その調査の中で地権者アンケートを実施しております。回収率は2割程度でございますけれども、防災道路の整備や建物の不燃化などの防災性の向上を望む声が6割であったことなど、地区の課題の一端が見える内容となっております。しかし、当時はこの地区を貫く補助81号線の事業進展が不明だったことから、まちづくり方針の策定を見送った経緯がございます。先日、東京都第四建設事務所に確認いたしましたところ、できる限り早期に補助81号線の用地取得率を5割以上とし、建築基準法上の道路指定をしたいとの意向でございました。この道路指定がなされますと、沿道の建て替えが活発化してまいりますので、この地区の将来のまちづくり方針の検討が喫緊の課題となっております。したがいまして、今後、地区の現状把握と課題の抽出、事業手法の比較検討など、まちづくりを推進するための基礎調査を実施したいと考えております。  なお、私からの答弁は以上でございますが、その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。   〔大門一幸保健福祉部長登壇〕 ○保健福祉部長(大門一幸) 福祉施策についてのご質問のうち、まず、視覚障害者の情報バリアフリー化についてのご質問にお答えいたします。  行政情報の音声コード化への取り組みについてでございますが、ご指摘のとおり、視覚障害者は障害があることにより、必要なときに必要な情報を得られないというハンディがございます。こうした視覚障害者への情報支援としての音声コードは、まだ一般的には普及しておりませんが、今後は音声コード読み上げ装置としての携帯電話の活用や、現在は読み取ることのできない表や図を読み取れるソフトの開発などの情報通信技術の進歩に伴い、急速に普及、浸透していくものと考えております。現在、区における音声コード活用の取り組みといたしましては、音声コードを読み上げる活字文書読み上げ装置の支給を行っております。また、本年度は、区の新型インフルエンザのお知らせにつきまして、音声コード付きのチラシを作成し、保健福祉センターの窓口で配付したところでございます。区といたしましては、今後、視覚障害者が必要とする行政情報を中心に、それらの音声コード化に積極的に取り組み、さらに対象とする行政情報の拡大に向けても検討してまいりたいと考えております。  次に、音声コード導入に向けた研修会の実施についてのご質問にお答えいたします。現在、音声コードを理解し活用しているのは、保健福祉センターや障害者福祉課の職員に限られております。したがいまして、行政情報の音声コード化に向けては、情報発信者である職員の情報バリアフリー化への理解を深める観点から、ご提案の補助金を活用した、音声コード普及のための研修を、来年度には実施できるよう、鋭意準備してまいりたいと考えております。  次に、発達障害者支援についての質問のうち、まず、発達障害者支援検討会のスケジュール及び今後の課題についてお答えいたします。本年度の新規事業である発達障害者支援検討会につきましては、学識経験者2名と保健福祉部、子ども家庭部及び教育委員会の関係部課長14名を構成メンバーとして、本年5月に立ち上げたところでございまして、こうした組織横断的な会議体の設置は極めて先進的な取り組みでございます。また、検討会の討議内容をより深化させ、課題の整理などを行う場として、各課の担当者によるワーキンググループも設置し、並行して検討を進めてきております。これまで3回開催しました検討会の中では、本区における乳幼児期並びに学童期のそれぞれの段階に応じた取り組みに対する現状と課題につきまして、共通認識が持てるよう議論を重ねてまいりました。今後の検討会におきましては、中高校期と就労支援を含む成人期における現状と課題などについて、検討を加えていきたいと考えております。その後、ライフステージごとの支援をつなぐ一貫性のある支援体制を構築するため、これまでの検討過程の中で出されました課題を整理の上、本区としての発達障害者支援の方向性をまとめ、具体の施策として展開できればと考えております。  次に、発達障害者を対象とした実態調査の実施についてのご質問にお答えいたします。現在、発達障害者につきましては、身体障害者のように障害者としての明確な位置付けがなされていない状況にございます。また、ご指摘のとおり、保護者の意思や認知など非常に難しい問題もあり、発達障害者の実数について把握することは大変難しく、とりわけ成人期に当たる発達障害者の正確な人数を把握することはほとんど困難な状況にあります。しかしながら、発達障害者への支援施策を講じていく上で、当事者本人の意向や現状を把握することは、極めて重要な要素であると考えております。したがいまして、今後、発達障害者支援検討会の中で、発達障害者の意向や実態をどのような方法で把握していくかといった課題につきまして、実態調査の実施の是非も含めて検討してまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。   〔吉川彰宏子ども家庭部長登壇〕 ○子ども家庭部長(吉川彰宏) 発達障害者支援についてのご質問のうち、東京都のモデル事業終了後の施策の展開についてのご質問にお答えいたします。  ご指摘のとおり、本区では、昨年度より東京都の発達障害者支援モデル事業を受託し、発達障害児とその家族に対して、有効な支援手法の開発を行っております。昨年度は西部子ども家庭支援センターに、年齢や生活環境の異なる2つのグループを立ち上げ、子どもの発達促進と保護者の不安軽減のためのプログラムを実施いたしました。さらに、今年度は保育現場において、発達障害児と周囲の子どもがお互いを尊重し、楽しく過ごすことのできる集団づくりと、保護者の理解度やタイプに応じた支援を行っております。モデル事業は今年度で終了いたしますが、今後はこれまでの事業の成果や課題を改めて検証するとともに、事業を通じて培った職員の資質を一層向上させることで、発達障害児とその家族がいきいきと安心して暮らすことができる地域づくりを目指し、より一層の事業の充実を目指してまいりたいと考えております。  次に、子育て支援についてのご質問のうち、まず、公共施設における赤ちゃんスペースの設置予定数及び周知についてのご質問にお答えいたします。乳幼児を持つ保護者が安心して外出できる環境を整備することは、子育て支援を進める上で極めて重要であり、本区ではこの3月、本庁舎内に授乳室を設置したほか、12月1日、本日より、子育てひろばを持つ区民ひろば13カ所において、おむつ換えのための設備などを備えた赤ちゃん・ふらっと事業を実施することとしました。東西の子ども家庭支援センター及び児童館、あわせて9施設においても、年度内の開始に向け準備を進めているところでございます。施設の周知方法につきましては、ご提案の内容は非常に有効と考えており、今後の広報に生かしてまいります。  次に、税制改正による子育て世帯への影響についてのご質問にお答えいたします。保育料につきましては、前年分の所得税額または区民税額を基本としており、仮に配偶者控除及び扶養控除が廃止された場合には、現在の保育料基準表を適用すると、一部の世帯では増額となってしまいます。お尋ねの世帯の事例では、現在の保育料は月額4,200円ですが、控除が廃止になった場合には、月額2万3,400円となります。これまで税制改正があった場合には、本区においては保育料基準表の見直しを行っておりますので、仮にこうした控除が廃止された場合にも、各家庭に対する影響が生じないよう、同様の対策を講じてまいりたいと思います。  次に、待機児童対策についてのご質問のうち、まず幼保一元化の検討についてのご質問にお答えいたします。認定こども園の制度は、多様化する保育ニーズへの対応を目的に、就学前の子どもに教育と保育の双方を提供する制度でございまして、待機児童対策を直接の目的とはしておりませんが、仮に区立幼稚園を乳児から幼児までの保育施設とすることができれば、就労の有無にかかわらず、子どもを受け入れることが可能となります。本区では、待機児童解消の抜本的な対策として、認可保育園、認証保育園の増設や、私立・区立の保育園の改修・改築による受入数の拡大を計画いたしておりますので、今のところ区立幼稚園を認定こども園に移行するような幼保一元化による方法での待機児童対策は考えておりません。区立幼稚園の今後のあり方については、現在、教育委員会において教育ビジョン策定作業の中で検討しておりますので、その検討結果を待ちたいと思います。  次に、空き教室を利用した無認可保育所等の方策についてのご質問にお答えいたします。学校施設の保育用途への活用につきましては、既に教育委員会と協議してきておりますが、本区では待機児童が出ているところでは、将来学童数の増加も見込まれますので、転用は困難であると考えております。また、転用に当たっては最も厳しい児童福祉施設への建築基準に適合する必要があるほか、乳幼児の設備やトイレ、さらには給食施設を新たに設置するなど、大規模な改修が必要となってまいります。そこで本区では、池袋本町一丁目の防災ひろば内にある仮園舎施設を存続させ、臨時的な保育施設として活用し、20人から30人の待機児童を受け入れる方向で、現在検討を進めております。なお、この施設は24年度から2年間は、地元私立保育園の改築中の仮園舎としても利用する予定ですので、22年度から2年間の限定的な活用となる予定でございます。  私からの答弁は以上でございます。   〔若林弘司健康担当部長登壇〕 ○健康担当部長(若林弘司) がん対策についてのご質問のうち、まず、計画の策定及び策定前の実態調査の実施についてのご質問にお答えいたします。本区におきましては、がんによる死亡率が高く、また、検診受診率が極めて低いことを重大に受け止め、今後、がん対策を積極的に取り組むという決意に立ち、がん予防計画を策定するものであります。そのため、学識経験者、三師会、区民をメンバーとした(仮称)がん対策推進会議を、新年度早々に設置いたします。策定スケジュールにつきましては、推進会議での幅広いご審議を踏まえ、22年度中に計画案を策定したいと考えております。また、策定に当たっては、区民のがんに関する実態調査は欠かせないものと考えておりますので、推進会議の設置に合わせ実施してまいります。  次に、検診受診率の状況及び計画策定までの取り組みについてのご質問にお答えいたします。今年度は、がん検診受診勧奨のために、保健所が発行する健康事業案内にがん検診の申込書を加えたほか、国保特定健診や長寿健診の受診券の送付の際に、がん検診のご案内・申込書を同封いたしました。こうした新たな取り組みの結果、がん検診の申し込みは10月末現在で昨年度の倍近くに増えております。計画策定までの当面の取り組みといたしましては、国保・後期高齢者医療以外の方へも節目年齢で受診勧奨するほか、大腸がん検診の申し込みを健診受診時に医療機関で可能にし、受診率アップにつなげていきたいと考えております。  次に、小児がん対策についてのご質問にお答えいたします。国のがん対策推進基本計画には、小児がんの長期予後のフォローアップ体制を含め、今後一層の研究を行うとともに、小児がんの子どもを持つ家族を支援する体制のあり方について研究を進めると明記されております。区といたしましては、今後、国や都などの検討内容を注視し、情報収集や課題の整理に努めてまいります。  次に、企業との連携を計画に加えることについてのご質問にお答えいたします。がん対策における企業連携につきましては、今年度も10月10日に乳がん受診勧奨イベントを開催いたしましたが、その際、サンシャインシティや電通と連携しております。こうしたがん対策での企業連携に対しましては、国からの財源が確保できますことから、今後も連携を推進し、計画に盛り込んでまいりたいと考えております。  次に、子どもたちへのがん教育の明記についてのご質問にお答えいたします。子どもたちへのがん教育につきましては、本年第2回定例会における教育長の答弁のとおり、その必要性を区としても認識しており、教育委員会と連携し計画の中に明記してまいります。  最後に、がん対策を総合的に推進する部署の設置についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、がん対策を総合的に推進するためには、専管の組織を中心に全庁的に取り組むことが重要であります。また、がんの療養支援におきましては、在宅医療と切り離せないものでありますことから、来年度に向け、在宅医療も含めたがん対策を所管する組織のあり方について検討中であります。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。  読書についてのご質問のうち、まず、子どもの読書活動についてお答えいたします。子どもの読書活動の推進に関する法律では、読書活動は、子どもたちが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであるとの理念が掲げられております。したがって、家庭では幼児期からの読み聞かせなど、本に親しむ環境づくりを積極的に行い、学校においては読書への関心や意欲を高め、その楽しさを実感させる活動を通して子どもたちに読書習慣を確立させていくことが重要であります。こうしたことから、国や地方公共団体には、子どもの読書活動を推進していく責任があり、具体的な施策を充実させることが求められていると考えております。  次に、豊島区教育委員会の目指す学校図書館像についてのご質問にお答えいたします。学校図書館は、子どもの知的好奇心や探究心、豊かな心を育む学びの拠点であり、図書室から学校図書館への位置付けの変更は、こうした役割を明確化したものであると捉えております。学校図書館には、調べ学習など、知的活動を活発に行うための学習情報センター機能と、読書に親しみ読書習慣の形成を図るための読書センター機能があり、これらの機能を十分に発揮させることが重要です。こうした機能を強化するため、学校図書館環境の充実が必要であり、区立図書館と連携し、蔵書の共有化を図って、子どもたちが調べたい、読みたいと思う本を、区内全域の図書館から探し、利用できるようなシステムの充実を図ってまいります。また、子どもたちにとって魅力ある学校図書館を実現するためには、学校司書などの人的配置についても新しい教育ビジョンの課題として位置付け、検討を進めてまいります。  次に、学校図書充実経費の拡充についてのご質問にお答えいたします。学校図書館を充実する上で、図書費の拡充は最も重要であると認識しております。したがいまして、平成22年度には、図書充実経費の大幅な増額を図るとともに、平成25年度までにはすべての区立小・中学校で、文部科学省が規定する学校図書標準を達成したいと考えております。またあわせて、区立図書館との連携や学校図書館のデータベース化などにつきましては、教育ビジョンの見直しの中で検討を進めております。今後は学校図書館が子どもの学びの拠点となるよう、明確な目標を提示し、総合的な学校図書館の充実を図ってまいります。  次に、地元書店からの学校図書の購入についてのご質問にお答えいたします。学校図書は、各学校がそれぞれ購入しておりますが、在庫の豊富さやブッカーやラベルの装着が可能であるなどの理由から、大手図書取扱業者からの購入が多くなっております。ご質問にありますように、昨今の経済情勢をかんがみますと、地域の書店を活用する意義もあると思われますので、今後は地元書店からの購入もできるよう、校長会等と検討を進めてまいります。  次に、学校図書館の読書環境の充実についてのご質問にお答えいたします。これまで小中学校の各教室の冷房化につきましては、普通教室を最優先に整備し、その後、特別教室の冷房化に取り組んできたところでございます。学校図書館の冷房化につきましては、これまでその他の特別教室などの改修工事に合わせて整備してまいりました。その結果、既に学校図書館での冷房設備の未設置校は、小学校2校、中学校1校のみとなっております。ご指摘のとおり、学校図書館の充実を目指す上で、暑い夏でも涼しい図書館で本を読めるような読書環境の整備拡充は重要な課題であると考えております。改修を要する工事は山積する状況ではございますが、学校図書館の冷房化につきましては、できる限り早期に整備するよう努めてまいります。  以上をもちまして、高橋佳代子議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(小林俊史) 次に、26番議員より、「区民生活を支える来年度予算編成にするために」の発言がございます。   〔小林ひろみ議員登壇〕(拍手) ○26番(小林ひろみ) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「区民生活を支える来年度予算編成にするために」と題し、次の3点について一般質問を行います。  1、来年度予算編成に取り組む姿勢について、2、低所得者、障害者施策などの充実について、3、池袋を中心とした再開発についてです。  新政権発足後も国民の暮らしは深刻さを増しています。厚生労働省は10月20日、全国民の中での低所得者の割合や経済格差を示す「相対的貧困率」を初めて発表しました。2006年は15.7%という高い数字でOECDの中でもワースト4位です。9月の失業率は5.3%で、ほんの少し下がったとはいえ、失業者数は前月より2万人増えて363万人にもなっています。大学生、高校生の就職内定率も低く、卒業即失業かという、悲しい現実が目の前に迫っています。以前は高齢や病気で仕事ができない、貯金が底をついたから生活保護をという相談が多かったのですが、今は働きたいが仕事がないという若い人たちが増えています。中小企業も、仕事が欲しいと悲鳴を上げています。また、年金暮らしのお年寄りも大変です。10月からは年金から国民健康保険料や住民税を天引きすることが始まりました。後期高齢者医療制度が廃止されなければ、来年4月から保険料を値上げする方向で検討しています。年金の手取りが減るということです。ますます悪化する雇用情勢、中小企業の経営や生活の危機、これまでの社会保障の切り捨てによる高齢者や障害者の生活苦など、あらゆる分野で事態の打開が求められています。  新政権の下で、生活保護の母子加算復活など、国民の願いに応える政策が出されていますが、反面、緊急課題である後期高齢者医療制度廃止や労働者派遣法抜本改正では、先送りや後退しかねない動きが生まれています。国の来年度予算は概算要求で95兆円となり、政府は約3兆円削減を目指して、行政刷新会議で事業仕分けを行いました。これについては、項目選定や仕分け人の選定、生活関連予算が乱暴な議論の中で削減されるなど、効率優先ばかりであり、疑問の声も上がっています。地方自治体にとっては、今後、国や東京都の予算編成の動向により、補助金などがどうなるのか未定のところもあります。しかし、住民に一番身近な自治体・豊島区に求められているのは、区民が安心して住み続けられる、住民の命と健康、暮らしを守る予算編成であります。日本共産党は国政でも豊島区政でも、建設的野党として、国民にとっていいものには賛成、悪いものには反対、問題点は指摘し改善させる、具体的な提案をしてまいります。  第1に、来年度予算編成に取り組む姿勢についてです。  我が党は、これまでも区民の困難な生活実態を見て、暮らし・福祉に重点を置くべきと指摘、区長の認識を質してきました。区長は、今年2月の私の質問に答えて、中小企業や商店街の売り上げ減少、雇用環境の悪化による失業や家計収入の減少で緊急に支援が必要な世帯の増加傾向、収入の限られた高齢者世帯や、様々な経済負担を抱える子育て世帯など、厳しい状況に置かれているものと認識し、さらに影響が深刻化することを大変心配しているとか、状況によっては、区としての支援策をさらに強化していかなければならないと認識しておりますとしていました。その後、どうなったでしょうか。今年度になって補正予算で組まれたもののうち、不況対策、雇用対策、生活支援といえるものは、プレミア付区内共通商品券発行経費の補助を除けば、国の緊急雇用創出事業に伴うもの、つまりは全額国庫補助がついたものばかりです。国の制度を活用するのはいいのですが、結局、短期間雇用ばかりでありますし、国の補助がなければやらないということです。区としての支援策はないといっていいのです。  高野区政は、区民に一番切実な福祉関係経費はこれまで年間8億円削ってきましたが、復活したのはわずか1億2,700万円でしかありません。我が党が削られた生活保護世帯の風呂券の枚数をもとに戻せと求めても、冷たく拒否。区営住宅・福祉住宅、特別養護老人ホームの建設などを求めても、一向に進めずにきたのです。その一方で、今年になってからも、巨額の基金積立と借金返済は優先してきました。  また区長は、我が党の垣内議員が、国の社会保障切り捨てを容認してきた態度を改め、国や都に対しきっぱりものを言うべきだと質問したことに対し、これまでも必要に応じて様々な機会に、国、あるいは東京都に対して要望意見を上げてまいりましたとか、今後とも必要に応じて要望意見を上げてまいりますと答えていながら、後期高齢者医療制度については、直ちに国に廃止を求める考えはない、高齢者の医療費無料化については、国や都に求める考えはない、生活保護の老齢加算の復活については、区として国に働きかけを行う考えはないと冷たく拒否してきたのであります。  そこで質問します。区長は、今年2月、私の一般質問に対し、不況や失業などによる収入減少になった世帯や高齢者、子育て世代など、厳しい状況に置かれているものと認識していると答弁しましたが、その後、区独自には何の手立てもとっていません。そのときよりも状況はさらに悪化しているのに、手をこまねいて見ているだけではありませんか。厳しいと口では言っても、対応しないのは区民に対する背信行為です。その姿勢を改め、少なくとも、削った福祉はもとに戻すべきと考えます。いかがか明確にお答えください。  次に、職員体制について伺います。豊島区は、これまで国や都の路線方針に従い、財政難を口実に、リストラ、合理化、住民犠牲の行革を実施してきました。財政健全化計画、新生としま改革プラン、行財政改革プラン2004、2005、そして2007年度からは未来戦略推進プランと名前を変え、職員削減や民営化、民間との協働を進めてきたのです。定員管理計画に沿って、2010年4月1日、つまり平成22年度、2,000人体制に固執しています。児童館やことぶきの家を廃止し区民ひろばとする、また学童クラブを全児童クラブとしスキップに統廃合する、さらに現業職員の退職不補充、民間委託、民営化、職員の非常勤化などを進めてきたのです。2009年3月末は、正規職員が115人退職したのに、4月の新規採用はわずか30人でした。職員が慢性的に足りない状態です。正規職員が全体に占める割合は78.7%となり、非常勤が21.3%、実に2割以上となる異常な事態となっています。無理な職員の削減が様々な面で区民サービスを低下させていますが、今回は特に緊急を要する生活保護と保育について具体的に取り上げます。
     生活保護の現場での人手不足は恒常的になっているにもかかわらず、区は、なかなか職員を増やそうとしません。相談件数も増え、受給世帯数も、今年1月以降、毎月100件ずつ増えています。現場では職員が足りず、ケースワーカーの担当件数も、4月には一人当たり101件だったものが、10月には112件にまで増え、さらに大変な事態になっています。区民は、生活に困窮し切羽詰まって相談に来たのに、相談者が多いとか相談室が足りないといって長時間待たされる。ひどいときには翌日来てくれと言われ、必要なサービスが受けられないのです。職員は必要な訪問もままならないし、また保護費の支給日を2日間に増やしていますが、それでも支給日には朝から人でいっぱいになります。生活保護の申請があれば、職員は住むところがない人には宿所を探し、治療が必要な人、入院が必要な人には手続きをし記録をする。さらに、宿泊所からアパートに移る人の相談に乗るなど、自立を援助したり、保護世帯の安否確認など、やることがたくさんあります。この上、指導監督責任を求められても、もう限界だという声が出ています。また、精神障害者に対応する職員については、非常勤で2名を確保することにしていますが、現在、1名しか確保できていません。精神障害者も増えている中、常時専門的な対応が必要です。それには、雇用条件の改善、さらには正規職員としての採用もする必要があります。我が党は、かねてより生活福祉課の職員の増員を求めてきました。今年4月から3名のケースワーカーを増やしたと言いますが、焼け石に水です。また生活福祉課は、既に職場は過密状態となっており、自立支援係は2階で飛び地状態です。職員を増やしたくても机を置く場所がない状況ですから、新たなスペースの確保も必要です。  そこで質問します。年末に向け、ますます相談や生活保護受給者が増えることが予想されます。区長は、今でもこんなに大変な現場の事態を、本当にご存じなのでしょうか。第3回定例会の垣内議員の質問に答え、職員が十分な職務を行えない現状にあることを認め、人員とスペースの確保、組織体制の強化を進めるとは答えていますが、それなら、すぐにでも生活福祉課のスペースと職員の確保をしなければならないはずです。具体的にお答えください。  保育園の職員体制について伺います。待機児解消については、明日、我が党儀武議員が質問します。今、一番問題なのは、6年間正規の保育士を採用していないことです。来年も新規採用はなく、育休代替に任期付保育士という短期雇用の保育士を採用して乗り切ろうとしています。一方、これまで障害児対応を初めとして、正規保育士の補助をしてきた非常勤の保育士、エンゼルサポーターを廃止し、解雇しようとしています。非常勤職員は不安定な待遇ながら、現場では欠かせない存在として豊島区の保育を支えてきたのに、区の都合で一方的に廃止するなどとは許されません。また、任期付保育士を採用する一方で、非常勤を解雇するというやり方は、解雇のための法的な条件をも満たしておらず、雇い主の責任が問われます。そもそも、民間企業の派遣切り、雇い止めが横行しているのをやめさせる立場にある行政自らが解雇するなど、とんでもありません。豊島区は、90年代には区立保育園を廃止し、そして高野区長になってからは、強引な民営化で保育定数を削減してきました。その結果が現在の保育園待機児になっていることは間違いありません。そして、本気で保育園待機児を解消する気があるなら、民間任せではなく、区として認可保育園を増設し、そのための正規の保育士を採用せざるを得ないはずです。実際、文京区などでは保育士の採用をしています。  そこで質問します。保育士については、即刻新規採用をすべきです。11月現在、200名を超えた待機児解消に本腰が入っていないのは、保育園をつくれば職員を増やさねばならないのに、2,000名体制があって何が何でも職員は増やせないという区の方針があるからではありませんか。そんなことで保育園に入れないのでは、困っている区民は納得できません。何とかしてほしいという切実な区民の声に応え、保育士を採用、増員して、待機児を解消する方向へ踏み出すべきです。答弁ください。また、これまで豊島区の保育行政を担ってきた非常勤の職員を雇い止めにすることは許されません。待遇改善を行うとともに、引き続き雇用することを求めます。  以上、2つの特徴的な職場を取り上げましたが、これだけでなく、どこの職場でも、新人が入ってこない、若手がいない、活気がなくなる、仕事のノウハウや技術の継承ができないなど、大きな問題です。職員の残業も増え、有給休暇の取得率も下がっています。区が現場の状況や社会の変化に伴う仕事量に関わりなく、財政難を口実に民営化や民間委託、職員体制の効率化をすればできると決めた、2,000名という数字に固執するところに一番の問題があります。2000年に移管された清掃事業を除けば、既に2,000名以下の体制になっているのです。  そこで質問します。来年度からの人員管理計画を策定中と聞いております。先程述べたように、生活福祉課や保育園など、切実な区民需要の多いところで矛盾が噴き出しています。無理な人員削減を行った2,000名体制を反省し、区民需要を考慮し、必要な職員を確保する立場で臨むべきです。削減ありきではなく、区民サービス向上を第一とした職員体制をとるべきです。答弁願います。  第2に、来年度予算の中で特に必要な低所得者、障害者施策の充実について質問します。先程述べたように、景気の悪化はますます進み、区民生活も困難になってきている中、低所得者、障害者など、弱い立場の人に光を当てた政治がますます必要になってきています。ところが、この間、一番削られてきたのが、低所得者、障害者の分野です。今年9月に豊島区が出した区財政の推移と現状の中で、逓増する扶助費と操出金が区財政を圧迫する要因と書いています。福祉をやったから区財政を圧迫するかのようですが、そうではありません。国が社会保障費を切り捨ててきたのが一番の原因なのです。自民党政治は、新自由主義の考え方の下、国の仕事は国防と外交だけとし、それ以外の仕事は地方自治体に押し付けて、その際、仕事は渡すが財源は渡さないという姿勢に終始し、地方に出すべき様々な国庫負担金を縮小してきました。国民健康保険の国庫負担は1984年に45%だったものが引き下げられてきたのです。最近では、三位一体の改革で2004年度から公立保育所運営費の国庫補助が、2005年度から就学援助の準要保護者の国庫補助が廃止され、一般財源化されました。特に生活保護については、1950年、生活保護法が制定されたときは国庫補助率は80%でしたが、1989年から75%に引き下げられてしまいました。生活保護世帯が増えると地方自治体の負担が増え、財政を圧迫するため、申請を受け付けないなどの違法行為の原因の1つになっています。その上、豊島区は財政難を口実に、生活保護にならないための様々な施策、応急小口や生業資金などの貸し付け、見舞金などを削り、さらには生活保護の法外援護まで切り捨ててきたのです。そして、国が派遣労働を自由化し、働く貧困層、ワーキングプアをつくり、一方で年金、医療、介護などの社会保障を切り捨ててきたことが生活保護を増やしているのであります。  そこで質問します。景気悪化で税収は増えない一方で、区民生活を支えるための福祉や教育の需要は増大します。特に、今の生活保護の増加は、大きな原因は国の政治の失敗です。国に対し、生活保護については全額国庫負担とするよう強く求めるべきですが、いかがですか。答弁ください。  次に、生活保護世帯、低所得者世帯への対策、特に子どもに関することについて伺います。10月4日、NHKスペシャルが「しのびよる貧困 子どもを救えるか」の特集を行い、子どもの貧困を取り上げました。この間の自民・公明政治の構造改革路線による規制緩和、社会保障削減の結果、一番弱い子どもが貧困にさらされているのです。「子どもの貧困」などの著書がある、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんは、子どもの貧困を解消するのは弱者救済というより、将来を担う人材育成の投資と考え、負担と給付のあり方について、抜本的な議論をする必要があるとしています。  そこで質問します。豊島区でも児童虐待が増加し、就学援助も増えています。区長、教育長は、豊島区における子どもの貧困の実態について、どう把握しているのでしょうか、答弁願います。  具体的に、低所得者世帯の子どもに対する施策の充実について2点伺います。1つは、生活保護の法外援護の復活についてです。国の暮らしと福祉、教育などの施策に不十分なところがあれば、自治体独自の上乗せをして住民の命と暮らしを守っていくのが区の仕事です。すべての子どもが基本的な医療、衣食住、教育を受けられるようにすべきです。ところが、行財政改革プラン2004で入浴券とともに削られたのが、子どものための入学祝い品の支給(文具券)、学童服・運動衣代の支給、修学旅行支度金などです。これらは、まさに自治体が独自に上乗せしていた部分です。生活保護はぎりぎりの生活費でしかありません。だからこそ、このような法外援護がなされていたのであります。  そこで質問します。生活保護は最低限の生活費です。成長に合わせて必要な子どもの体操着も、中学生で学校指定のものとなれば上下で5、6,000円はします。入学準備金も中学校は4万6,100円以内しか出ませんから、学校によっては指定の標準服やかばんを買ったら終わりで、体操着まで回らない金額です。豊島区として上乗せは必要です。復活を求めます。答弁を願います。  もう1つは就学援助です。日本国憲法では、義務教育は無償とすると謳っているのに、保護者の私費負担は高止まりのまま、当然のように請求されています。豊島区では、就学援助の基準は生活保護の1.2倍とされています。これについては、23区はほぼ同水準ですが、教育関係補助費としては、墨田区でめがね購入費や運動着代を支給したり、台東区では私立幼稚園保護者補助を行っています。先程、中学校の標準服の話をしましたが、就学援助を受ける場合には、入学支度金の費目で出るのは、金額として2万6,120円です。義務教育にかかる経費の補助という位置付けですが、標準服以外にも、その他体操着や上履き、かばんなど、学校指定でどうしても必要なものがありますが、それと比べると少な過ぎます。標準服の金額にも満たない額です。さらに、これらは入学前に揃えなければならないのに、就学援助のお金が振り込まれるのは8月になります。就学援助はお金がなくて申請するのに、これでは実態に合っていません。  そこで質問します。まず、就学援助の金額を、実態に合わせ引き上げるべきです。答弁ください。また、入学支度金については4カ月も後にならないと振り込まれないのでは実態に合いません。制度を変えるべきですが、すぐにはできないというなら、貸付制度をつくるなどして使いやすくすべきですが、いかがでしょうか。答弁ください。  続いて、障害者に関わる問題について取り上げます。  障害者自立支援法については、利用すればするほど負担が重くなる応益負担を廃止し、施設運営については、報酬単価の引き上げや、日額払いから月額払い制に戻すことが求められていることは何度も取り上げてまいりました。今回は、市区町村が実施する地域生活支援事業について質問します。地域生活支援事業は、地域の実情に合わせて実施し、その費用の2分の1を国が、4分の1を都が支援をすることになっています。豊島区では相談事業、コミュニケーション支援事業、日常生活用具給付事業、移動支援事業、地域活動支援センター機能強化事業などが行われています。豊島区としては、日常生活用具給付は3%負担、移動支援事業は月20時間まで無料、40時間までは3%負担などを除き、ほぼ利用者負担なしで実施をしています。  そこで質問します。移動支援事業は、自立生活及び余暇活動などの社会参加のための移動支援ということになっており、通勤、通学に使えないとか、障害児がスキップを利用することに使えないとかで、障害者の方にはとても不満があります。この制度については、自治体独自に実情に合わせていけることがいいところです。豊島区障害福祉計画の中でも、利用者などから寄せられている様々な要望に対して、今後諸条件などを勘案しながら検討を進めていくとあります。検討状況を伺います。また、具体的に何が問題になっていて拡大ができないのか、お答えください。  障害者施策の2つ目は、地域活動支援センターについてです。豊島区の精神障害者の共同作業所は、すべて法内施設に移行しました。2009年度は自立支援給付については、報酬が5%程度アップしました。しかし、地域活動支援センターⅢ型への補助は、今年は増えませんでした。福祉施策はどこも給与が安く、人手不足で大変です。  そこで質問します。豊島区では歴史的に精神障害については民間の作業所が大きな役割を果たしてきました。地域活動支援センターの補助の増額を求めます。いかがですか。また、これらの事業を行っている地域生活支援事業は、本来、国が2分の1、都が4分の1を補助することになっていますが、実際には、それぞれ68%程度しか補助していません。国・都に対し、補助をきちんと出すように強く求めるべきです。答弁ください。  第3に、池袋を中心とした再開発について伺います。  豊島区は、池袋を中心とした再開発について、2004年4月に池袋副都心再生プランを作成した後、新庁舎建設や東西デッキ構想、LRT構想、独立行政法人造幣局周辺などを、都市再生をリードするプロジェクトとして、区民にもわかりやすいまちづくりのためのガイドラインが必要になったとして、新ルネサンス構想を発表、2008年4月の戦略プラン2008に盛り込んだのです。その後、民間との協働などとして、2008年6月に池袋副都心グランドビジョンとして発表、今年も戦略プラン2009に盛り込み進めています。11月13日の豊島副都心開発調査特別委員会で、池袋副都心整備ガイドプラン、池袋副都心地区都市交通戦略、新庁舎計画について報告がありました。池袋副都心整備ガイドプランは、都市再生を進めるためには、目標に向かって公民が連携を図りながら行動する戦略が重要、その戦略がガイドプランなどと説明されました。池袋副都心地区都市交通戦略は、池袋副都心整備ガイドプランと連携し、そこで示された将来像を実現するために必要な交通施策と、その実施計画を検討するものと説明されました。どちらも具体的な事業をつくるわけではない、事業は個別の計画であるということで、曖昧模糊としています。副都心委員会の質疑の中でも、理事者は、LRTについては構想は変わっていない、今も検討していると言い、LRTを進めるために交通戦略があるともしています。振り返れば今年5月の副都心委員会で、池袋LRT整備構想策定調査について報告があり、数々の問題点が指摘され、実現困難なことが明らかになりました。決算特別委員会でも、LRTについて質問したのは我が党だけでしたが、その際、理事者は、LRTにこだわらないと答弁するなど、LRT事業はもう中止の方向へ向かうべきだったのであります。しかし、交通戦略の中で、参考の、魅力ある公共交通のイメージとして上げられ、検討が続けられることになっているのです。また、ガイドプランと交通戦略の中には、交通結節点の強化という形で、東西自由通路、つまり池袋東西デッキの記載があります。池袋駅東西デッキの話は過去にも何度も出てきては消えてきたもので、その際、問題になったのは、一体誰が費用を負担するのかということであり、結局実現しなかったものです。LRTにしても、東西デッキにしても、区民から批判が強いものなのに、それが新ルネサンス構想、そして民間の協働だといってグランドビジョンという形になり、さらに今度は池袋副都心整備ガイドプランとして、きれいな絵にしてどんどん進んでいくのであります。お金の面から見ても、本年度予算では、ガイドプランに1,880万円、LRTを含む交通戦略調査に1,560万円が計上されています。これまで、わずか200万円でできる高齢者の安否確認のためのハローテレホン事業は復活しろと言っても復活しない、2,000万円でできる生活保護世帯の風呂券は復活しない、その一方で、毎年これだけのお金が絵を描くために使われているのです。また、優秀な職員がそのためにはりついているのであります。  豊島区はこの間、新庁舎建設を池袋再開発の起爆剤と位置付け、7月に都市計画審議会で再開発事業などについて決定し、今後準備組合から組合設立へ、事業計画の策定、権利変換へと進んでいくことになっています。現在、地権者の中からも反対者が出ているにもかかわらず、区はしゃにむに進めようとしています。既に豊島区は準備組合に対し、10月16日、組合設立の同意書を提出、先日の副都心委員会で、理事者は、全員の同意が得られるよう努力すると言うものの、それは権利変換までに同意を得られればいいというもので、結局どんどん進めることになっています。資金計画については、今後政権交代による補助金がどうなるのか不明なこと、また、現庁舎地を50年の定期借地権で貸し付け、賃料で区庁舎の不足分を保留床を購入するというやり方など、非常に不確実、不安定な計画です。板橋区は、財政調整交付金が減るので、本庁舎の改修を延期すると表明しています。その他、再開発手法は住民追い出しになること、分譲マンションとの合築による維持管理の困難さなど、いくつも問題点を我が党は指摘してきました。しかし、一顧だにせず区は一瀉千里に進めているのです。  そこで質問します。なぜ、池袋副都心整備ガイドプランなどをつくるのでしょうか。今、述べたように、ガイドプランというのは、新庁舎建設を起爆剤にして、東西デッキとLRTを何が何でもつくっていくためのものではありませんか。改めて伺います。一体、何のために池袋副都心整備ガイドプランを策定するのか、明確にお答えください。また、なぜ都市計画審議会にかけているのでしょうか。答弁を求めます。もう1つ問題なのは、池袋副都心整備ガイドプランが、区民には一切説明されていないことです。今後の手続きを見ると、12月25日に再度、都市計画審議会を開き、答申をつくり、その後ようやくパブリックコメントを行い、3月に策定するとしています。これまでの様々な都市計画をつくるときには、都市計画審議会で案をつくり、区民に公開して住民説明会もするなどして意見を聞き、そしてまた都市計画審議会で決定すると、手順を踏んできたはずです。今回はなぜ、一切区民に対する説明がないのか、そして区民に意見を聞くのが後回しになっているのか、こんな非民主的なやり方は認められません。答弁ください。  以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの小林ひろみ議員のご質問に対しましてお答え申し上げます。  来年度予算に取り組む姿勢についてのご質問のうち、まず、福祉予算をもとに戻すことについてのご質問にお答えいたします。  景気は最悪期を脱したと言われておりますが、雇用の削減や賃金の抑制、個人消費の低迷など、依然として先行きが不透明となっている昨今、区民生活が一層の厳しさを増していることにつきましては、十分認識しているところでございます。こうした状況を踏まえて21年度当初予算においても、20年度に補正予算で制度を拡充した公衆浴場経営改善助成、中小商工業融資事業及び心身障害者自動車燃料費助成事業を継続実施するほか、心身障害者福祉タクシー事業や、私立幼稚園教育環境整備費助成の拡充を図るなど、緊急を要する施策には可能な限り取り組んでまいりました。また、復元すべきとのご発言のあった事業の中には、一部形を変えて対応を図ってきたものがあります。さらに、区民需要に応え、毎年度多くの新規拡充事業も実施してきております。そもそも、事務事業の見直しについては、時の財政状況のみならず、事業開始の背景やその役割、目的達成の状況、さらには他自治体での実施状況や当該事業の水準の比較など、あらゆる視点から検討し、最終的に事業の休・廃止や縮小などを決定したものでありますし、一方で、復元は再び歳出の拡大に向かう危険性をはらんでいるため、安易な復活は考えておりません。  次に、区民需要を考慮した職員体制の確保についてのご質問にお答えいたします。これまで2,000人体制の実現に当たっては、区民サービスの維持・向上を前提として、区立施設の民営化、委託業務の拡大、再任用職員等の活用などにより、人員を削減してきたものであります。少子高齢社会、低成長社会の到来といった状況の中で、持続可能な行財政運営を構築するには、人件費削減が不可避な課題で、2,000人体制の定員管理計画を策定したものでございます。この課題認識は変更しておりません。したがって、これまでと同様、サービス水準の維持・向上を前提に、民間や地域等の社会資源を活用して、適正な職員数を確保してまいりたいと思います。  次に、低所得者、障害者施策などの充実についてのご質問のうち、まず、生活保護の全額国庫負担を国に強く求めることについてのご質問にお答えいたします。  生活保護費の増加が一般財源からの持ち出しにより、区財政を圧迫している原因の一つとなっていることは十分認識しておりますが、一方、国と地方との協議の中では、国の負担率を下げるべきという意見もありますことから、少なくとも、現在の水準を維持すべきであると考えております。したがいまして、現時点においては、国に要望する考えはございませんが、これ以上国の負担率が下がるようなことがあれば、国に意見を上げていかなければならないと考えております。  次に、子どもの貧困の実態についてのご質問にお答えいたします。長引く景気の低迷による生活困窮家庭の増加により、無保険状態に陥ったり、高校を中退せざるを得ないケースなど、子どもの貧困化が深刻化しているといわれております。厚生労働省が本年10月に発表した相対的貧困率に関して申し上げますと、平成19年度の調査における18歳未満の子どもの相対的貧困率は14.2%であり、6年ぶりの高水準となっております。国におきましては、今後、より詳細な子どもの貧困率の調査を行うことが検討されております。本区におきましては、具体的な統計数値はございませんが、東部子ども家庭支援センターにおける虐待対応や生活福祉課における相談などから、家庭の生活貧困が子どもの生活にも影響を及ぼしている事例が少なからずあると認識しております。  次に、池袋を中心とする再開発についてのご質問のうち、まず、池袋副都心整備ガイドプラン策定の理由及び都市計画審議会にかけている理由についてのご質問にお答えいたします。  池袋副都心整備ガイドプランを策定する目的ですが、まず、池袋副都心・グランドビジョン2009にお示ししております新庁舎整備、東西デッキ、LRTなど、18のリーディングプロジェクトが池袋の都市づくりの中で果たす役割を明確化し、相乗効果を上げて、目指すべき都市像を実現していけるよう導くことであります。現在、東京都と精力的に調整をしております、都市再生緊急整備地域の指定に関連しており、指定に当たっては民間開発を適切に誘導するためのガイドプランの策定が必須の条件となっております。また、今後、複数の民間開発プロジェクトが動き出すことが予測されますので、豊島区が目指す都市像に適切に誘導し、公民が連携して一体となった都市づくりを推進することであります。都市づくりにおいては、直面する個々の課題に対して個別に問題解決する対処療法的な対応が一般的ですが、池袋副都心グランドビジョンは、最初に明確な将来目標を掲げ、その目標を実現化していくために、個々のリーディングプロジェクトを段階的に推進していく、ビジョン実現型のまちづくりであるところに、これまでのまちづくりとの大きな違いがあると考えております。東西デッキやLRTの計画は、目標であるグランドビジョンを実現させるための大切なまちづくりであると考えておりまして、様々な課題を解決していくために、池袋駅及び駅周辺整備検討委員会や、池袋副都心都市交通戦略策定委員会など、専門的な検討の場を設けプロジェクトを進めているものでございます。文化によるにぎわいの創出、人と環境へのやさしさをコンセプトとする都市づくりは、都市づくりビジョンの実現に向けた、大きなチャレンジであると考えておりますので、池袋副都心グランドビジョンに掲げる18のリーディングプロジェクトを着実に推進していく考えでございます。  また、池袋副都心整備ガイドラインを都市計画審議会に諮る理由についてでございますが、この案件は、都市計画審議会で都市計画決定を付議するものではなくて、審議会でのご意見を伺うために諮問をしているものでございます。その理由は、ガイドプランは都市計画の位置付けとして、都市計画マスタープランを実現化するためのプランであり、今後、個別のまちづくりが都市計画決定の手続きを経て進められる場合、このガイドプランを根拠とすることになりますので、あらかじめ委員の皆様のご意見を伺う機会を設けたものでございます。都市計画法の都市計画運用指針においても、都市計画審議会の職務として、マスタープランの作成に関する事項について、調査・審議することが規定されておりますので、これに準じて審議会のご意見を伺っております。  次に、区民に対する説明及び意見聴取についてのご質問にお答えいたします。この度のプラン策定に当たりましては、豊島区自治の推進に関する基本条例第20条にあります、区政への区民参加の趣旨に則り策定を進めております。計画の立案に当たりましては、様々な区民参加の方法がありますが、この度の策定では、パブリックコメントを実施し、広く区民の方々のご意見を伺うことにしております。また、先程述べましたとおり、この度の案件は、都市計画決定をする案件ではありませんので、都市計画法に規定する手続きである公告・縦覧や、住民説明会は実施いたしません。  なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。   〔水島正彦副区長登壇〕 ○副区長(水島正彦) 来年度予算に取り組む姿勢についてのご質問のうち、まず、生活福祉課のスペースと職員の確保についてのご質問にお答えいたします。生活保護に関する事務は、かつては東西2カ所の福祉事務所で所管しておりましたが、12年前の平成9年4月からは本庁舎に生活福祉課を立ち上げ、1カ所体制といたしました。この平成9年4月当時の生活保護世帯は2,383世帯でありましたが、本年10月にはこれが5,380世帯となり、当時と比べて、約2.3倍の増となっております。一方、ケースワーカーは31名が48名と、約1.5倍でございます。とりわけ、昨年秋からの経済及び雇用情勢の悪化等の影響により、本年1月以降、生活保護の相談及び新規開始件数は激増しております。こうしたことから、生活福祉課のスペースについてはもとより、生活保護の適正な実施を確保する観点から、ケースワーカーを初め、生活福祉課の人員を大幅に増員するよう、現在、具体的に詰めているところでございます。  次に、保育士の新規採用及び非常勤職員の待遇改善・継続雇用についてのご質問にお答えいたします。保育士については、平成23年度に新規採用する予定であり、平成22年度中に採用試験を実施すべく準備を進めております。また、待機児童対策に充てる職員については、待機児童の発生状況を見極めながら適切に配置してまいります。なお、現在、保育士の育児休業取得者に代替する職員としての、育休任期付職員の採用を検討いたしております。育休任期付職員は、地方公務員の育児休業等に関する法律に基づいて採用する、育児休業中の職員の代替を務める正規職員でございます。正規職員であることから、臨時職員等と異なり、保育園においては保育士の職務をすべて果たすことができます。また、雇用条件も任期の定めのない保育士に準じておりますので、従来の非常勤職員とは異なり、雇用の安定にも資することとなります。また、ご質問にある、保育園の非常勤保育士エンゼルサポーターについては、関係法令及び雇用契約に基づいて適切な処遇をいたしておりますが、もともと雇用期間が限定された非常勤保育士でございますので、雇用期間の終了と同時におやめいただかざるを得ない点は、ご理解をいただきたいと思います。  次に、低所得者、障害者施策などの充実についてのご質問のうち、まず、生活保護の法外援護の復活についてのご質問にお答えいたします。この間、小・中学生のいる世帯に対しては、生徒会費、学級費、教材費、夏季施設参加費などが支給されるなど、生活保護の教育扶助の内容につきましては、年々段階的に充実が図られてきております。また、平成16年12月の生活保護制度のあり方に関する国の専門委員会報告の中において、高校進学率の高まりなどにより、高等学校等への就学費用について、生活保護において対応するよう提言があり、平成17年度から高等学校等就学費が創設されております。さらに、平成20年度に開催された生活保護制度に関する国と地方の協議におきましても、生活保護における貧困の連鎖が問題点として挙げられ、その結果、本年7月からは被保護世帯の子どもの健全育成を支援するため、学習支援費が制度化されております。その内容といたしましては、これまで扶助の対象としていなかった、家庭内学習に必要な学習参考書や一般教養図書などの購入費が一律支給されております。それらに加えて、東京都の被保護者自立促進事業におきましても、次世代育成支援の観点から、小学校4年生以上の児童・生徒の学習塾代や通信講座受講料などの経費の補助も行われております。このように、生活保護制度や被保護世帯の子どもに対する補助制度の充実が図られてきております。生活保護を受給していない一般世帯との均衡や、区財政の厳しい状況を踏まえ、さきの決算特別委員会でもお話しいたしましたとおり、復活すべきものは復活しておりますし、時代のニーズに即した形で新しい事業展開もしておりますので、法外援護事業を復活することは考えておりません。  次に、移動支援事業の検討状況及び問題点についてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、移動支援事業は、屋外での移動が困難な障害者に対し、外出のための支援を行うことにより、地域における自立生活や社会参加を促すことを目的とした事業でございますが、本年度より帰省期間中の余暇活動などの社会参加のための外出や、介護者が疾病等による理由から送迎が困難な障害者等には、移動支援が利用できるようサービス内容を拡大いたしました。また、利用者負担につきましては、厳しい財政状況の中、ご指摘のとおり、本年度も引き続き原則1割負担のところを生活保護世帯は無料、その他の世帯につきましても、月20時間まで無料、40時間までは3%の負担とするなど、区独自の手厚い軽減策を講じておりまして、とりわけこの点につきましては、23区の中でもトップクラスの水準にございます。こうした点を踏まえますと、様々な利用者のご要望に対するこれ以上の移動支援事業自体のサービスの拡大につきましては、自ずと限界があると考えております。しかしながら、利用者の個々の実情に合わせ、他のサービスやボランティア等のインフォーマルなサービスの活用なども視野に入れながら、引き続き内容の検討を重ねてまいりたいと考えております。  次に、地域活動支援センターの補助金の増額及び国・都への補助を求めることについてのご質問にお答えいたします。本区には、障害者自立支援法の施行前に10カ所の精神障害者共同作業所がありましたが、同法の施行後、平成24年3月の経過期間終了を待たずに、来年度にはすべての作業所が同法に基づく新しい体系へ移行することになっております。そのうち、地域生活支援センターⅢ型には、既に8カ所の作業所が移行し、精神障害者に対して、作業活動を中心としながら、生活支援を行っております。現在、本区におきましては、これらセンターに対しまして、新体系に移行する前と同程度の活動ができるよう支援しております。しかしながら、これらのセンターの運営法人はNPO法人がほとんどでありますので、経営基盤は決して安定しているとはいえない状況にあります。また、国は障害者自立支援法の見直しにおいて、本年4月より障害福祉サービス事業所の報酬単価を、加算分も含めて平均5.1%の引き上げを行いましたが、地域生活支援事業である地域活動支援センターはその対象とされなかったという経緯もございます。こうした状況を踏まえ、地域活動支援センターⅢ型への補助金につきましては、今後、区として基本補助額の上乗せを図る方向で、前向きに現在検討してまいりたいと考えております。また、地域生活支援事業に対する国や都と区の負担割合についてでございますが、国も都も、本来の負担割合より、実績としては低い額となっております。この原因は、地域生活支援事業補助金が、人口割と事業実績に基づき、各区市町村に上限が定められているためでございます。しかし、本年度からは人口割が廃止され、事業実績に基づいて補助金の額が決められることになりました。こうしたことから、本来の負担割合で国や都から補助金が入ってくる可能性が高まりましたので、今後の状況を見て、その後の対応について検討してまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。   〔三田一則教育長登壇〕 ○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関するご質問に対しましてお答え申し上げます。  低所得者、障害者施設などの充実についてのご質問のうち、まず、子どもを取り巻く貧困の実態に対する教育長としての認識についてお答え申し上げます。昨今の社会経済情勢の悪化に伴い、今年度は既に10月の時点で、昨年度の就学援助認定件数を超えております。当然、子どもを取り巻く貧困の状況は、ご指摘のとおり悪化しており、豊島区にあっても例外ではないと認識しております。  次に、就学援助の金額の引き上げ及び実態に合った入学支度金についてのご質問にお答えいたします。就学援助は、経済的理由によって就学困難な児童・生徒の保護者等に就学に必要な経費を支出し、義務教育の円滑な実施を図ることを目的として実施しており、支給費目及び支給単価は、区によって多少の違いがございます。しかしながら、入学支度金につきましては、大半の区が豊島区とほぼ同額であるところから、現在のところ、入学支度金などの単価の引き上げは予定しておりません。また、就学援助の認定、特に所得状況の把握には相応の期間を必要とするため、現行の支給時期にならざるを得ない状況がございます。さらに、認定の可否が判定されることが前提となりますので、認定前の貸付制度につきましては実現は困難と考えております。なお、今後とも年度途中の相談にも十分対応できるよう、援助が必要な児童・生徒に対しまして、学校とも連携し、一層の周知に努めてまいります。  以上をもちまして、小林ひろみ議員のご質問に対する答弁を終わります。 ──────────────────────────────────────── ○副議長(小林俊史) 最後に、5番議員より、「「事業仕分け」の観点を踏まえた予算編成と行政評価の必要性」の発言がございます。   〔日野克彰議員登壇〕(拍手) ○5番(日野克彰) 私は、「「事業仕分け」の観点を踏まえた予算編成と行政評価の必要性」とのタイトルで一般質問を行います。主要な論点は次の3点です。第1に、事業仕分けの観点の必要性に対しての豊島区の認識・評価について、第2に、事業仕分けの観点を踏まえた来年度予算編成について、第3に、事業仕分けの観点を踏まえた行政評価の必要性について。  それでは、論点順に述べてまいります。最初に、事業仕分けの観点の必要性に対しての豊島区の認識・評価について述べます。11月に実施されました国の事業を対象とする事業仕分けは、非常に多くの国民の関心を集めたと捉えられております。しかも、傍聴者の数やインターネットのアクセス数ばかりでなく、幅広い層が関心を持ったという点で、ある意味画期的だったのではないでしょうか。私も何度か傍聴しましたが、私が見た範囲の中だけでも、行政とは直接関係のない様々な方々が熱心に傍聴されていました。年齢的に若い方も多数おり、大学生はもちろん、中には高校生の傍聴も見られました。これから考えますと、今回の国の事業仕分けは、総合的に見て、多くの国民からプラスの評価を受けるものと思われます。私は、数年程前から事業仕分けに注目し、他の自治体職員や民間の方々と評価方法や手法等について意見交換をし、実際にいくつかの自治体で仕分け人も務めてきましたが、今回の件で、改めてその意義と必要性を痛感いたしました。住民の関心を集めながら行政の内容の公開と評価を行う事業仕分けは、地方自治体の経営にも必要なものと考えます。具体的な点については、次の論点の中で伺いますが、今回の国の事業仕分けと、そこで示された評価の観点等に対し、区としてどのような認識・評価を持っているのか、総論としての見解を伺います。  次に、事業仕分けの観点を踏まえた来年度予算編成について述べます。10月の決算特別委員会の場でも何点か意見を述べましたが、今回の国の事業仕分けで示された様々な観点は、豊島区の来年度予算編成においても、各事業を考えるに当たって必要な観点であると私は考えます。以下、4つの観点を述べますので、これらについて、予算編成に向けてどのように考えるか、区としての見解を伺います。  第1に、事業には成果・効果の具体性が必要であるという観点です。今回の事業仕分けの議論では、各事業の成果・効果が厳しく問われました。成果・効果が抽象的、曖昧なものについては、総じて実施の取りやめ等、大幅な見直しを行うべきとの結論が出される傾向だったといえます。先日の決算審査の場でも指摘をしましたが、私も事業の効果は極力具体的であるべきであり、具体的な数値等で捉えられない事業は、原則としてやるべきではないものと考えます。例えば、これまで何回か指摘をしてきました、都市再生関連の諸事業については、事業の成果・効果の具体的内容が説明されてこなかったものと認識しております。これらの事業も含め、来年度予算編成に当たって、この観点からどのように対応をしていくのか、方針を伺います。  第2に、事業の成果・効果が具体的に示されたとしまして、成果・効果と実施手段との間には合理的な因果関係が必要であるという点です。今回の事業仕分けでは、多くの事業でこの点も問われました。もっともらしい事業目標と成果・効果が書かれていましても、その因果関係について、仕分け人の納得のできる説明がない事業については厳しい指摘があり、実施の取りやめ等、大幅な見直しを行うべきとされたものも数多くあります。この点も、先日の決算委員会の場で申し上げたとおり、区の事業を考える上でも必要な考え方なのではないでしょうか。決算では、イベント関連の事業等について指摘をしましたが、少なくとも理論上の明確な因果関係が必要と考えます。この観点についても区の方針を伺います。  第3に、普及・啓発事業の取り扱いです。これは、先程述べた第2の点とも関連をしますが、今回の事業仕分けでは、イベントやポスター等を使った従来型の典型的な普及・啓発事業の多くは、不要不急なので優先順位は全体の中ではとても低いとされ、大幅な見直しとの結論となりました。もちろん、ご承知のように、事業仕分けは決定の場ではありませんので、国の来年度の事業において、この結論どおりになるか否かはわかりませんが、緊急・必須ではないという見方は、かなりのコンセンサスが得られる判断と私は考えます。したがいまして、大なり小なり事業規模の見直しはなされるものと予想します。選挙や食育関連がこのような指摘を受けましたが、大もとの国で見直しを行っても、豊島区は見直しを行わないで変わらずに継続をしていくのか、区の方針を伺います。  第4に、外郭団体の構造、事業の実施方法については見直しが必要であるという点です。国の場合、外郭団体に当たるものは独立行政法人や公益法人等ですが、これらの法人が関係した事業については、いわゆる埋蔵金の活用や、事業実施に関係した法人向け支出の見直しを厳しく行うべきとされました。さきの決算委員会において、私はとしま未来文化財団において、埋蔵金になりやすい構造や、財団向け補助金のあり方を具体的に指摘をしております。外郭団体に対する区の来年度予算編成上の方針を伺います。  最後に、事業仕分けの観点を踏まえた行政評価の必要性について述べます。確認の意味で申し上げますが、事業仕分けは行政評価であり、外部評価の一種です。様々な行政評価の手法がある中、今回、この手法が採用されたのですが、改めてその評価を受けた点を考えて見ますと、ポイントは、やはり公開性と外部性にあるものと考えます。即ち、行政内部に捉われない視点の入った議論を公開の場でわかりやすく見せるという点です。手法として、事業仕分けに限定しなくてもよいのでしょうが、このポイントを踏まえた行政評価は必要なのではないでしょうか。また、評価を予算編成に反映させるという点も、この場合の予算編成は必ずしも来年度でなくてもいいのですが、単なる評価で終わらせないという点で重要なポイントだったと考えます。昨年来、政治・経済の環境が大きく変わる中、豊島区においても、施策全般にわたるような行政評価が必要であり、その際は、今述べました事業仕分けの観点がポイントになるものと考えます。早期の行政評価の実施につき、区の方針を伺います。  以上、事業仕分けの観点を踏まえた予算編成と行政評価の必要性について質問をいたしました。これをもちまして私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。   〔高野之夫区長登壇〕 ○区長(高野之夫) ただいまの日野克彰議員のご質問につきましては、担当部長である政策経営部長より答弁いたさせます。   〔横田 勇政策経営部長登壇〕 ○政策経営部長(横田 勇) まず、国の事業仕分けに対する区の認識・評価についてのご質問にお答えいたします。国においては、11月11日から27日にかけて、平成22年度予算要求のあった447事業について、216項目に整理した上で無駄を洗い出す事業仕分けが行われました。95兆円と過去最高となった予算の概算要求の削減を目的に実施されたものであり、事業仕分けチームによる評価結果が国の次年度予算にどの程度反映され、本区の財政への影響はどの程度であるのか、注意深く見守っているところであります。国の事業仕分けは、行政評価を予算編成過程に組み込んだものであり、その過程の一部を公開したことにより、予算に対する国民の関心が高まったものであると評価しております。一方、科学技術関連予算に関する報道に見られますように、予算削減を目的に、効率性の観点からのみ評価された事業が多いとの印象を持っております。  次に、事業仕分けの観点を踏まえた来年度予算編成についての質問のうち、まず、事業の成果・効果の具体性についてのご質問にお答えいたします。事業の効果は極力具体的であるべきであり、具体的な数値等で捉えられない事業は原則としてやるべきではないとのご見解ですが、区民の生命・財産を守ることを使命とする基礎的自治体にあっては、そのように一概に断言することはできないのではないかと考えております。事務事業の中には、受益者が少ないがゆえに無駄であると断じて差し支えないものがあることを否定するものではありません。しかし、例えば公衆浴場経営改善助成事業のように、対象者は減少していても、あるいは対象者がマイノリティであるからこそ、行政が責任を持って実施すべき事業があります。社会情勢の変化によっては、利用者が多く、需要が高く見えても行政が実施する意義を失う事業もあります。また、人権啓発事業のように、直ちに効果は現れないとしても、継続して実施しなければならない事業もあります。施策あるいは事務事業の目的や執行状況などを明らかにし、多角的な視点から効果を検証するべきことは行政の責務であります。しかしながら、すべての施策の効果を指標という数値に換価することは困難であると考えています。したがいまして、単純に指標という成果のみをもって機械的に事業の存廃を即断することはいかがなものかと思っております。しかし、適正な効果測定による評価、さらには公平公正な観点から施策を見直し、再構築することは必要であると考えております。本年実施した行政評価は、そのような観点から各事業を検討し、かつ主管部局の説明も十分に聴取しながら実施したものであり、執行方法の改善などは予算編成に反映されるものと考えておりますものの、評価の方法などについてはまだまだ十分とはいえないと認識しており、さらに精度を高めるための工夫を凝らしてまいりたいと考えております。都市再生関連事業については度々ご質問をちょうだいしておりますが、当該事業の必要性等に関する認識に変更はございません。  次に、成果・効果と実施手段の間における合理的な因果関係についてのご質問にお答えいたします。区の事業に限らず、税を財源とする公務においては、基本的に目的・目標と実施手段の関係が明確である必要があります。そのためには、事業や活動の結果として生じる状態を示す成果指標の設定が重要になると考えております。区の行政評価においては、原則として成果がわかる達成度指標の設定を求めておりますが、成果を端的に数値化することが難しく、適切な指標設定が困難な事業も多くあります。しかしながら、税を財源とする以上、指標設定の困難性があったとしても、今後とも、区民がわかりやすく現在までの達成度が見える指標の設定を引き続き検討してまいります。  次に、普及・啓発事業の取り扱いについてのご質問にお答えいたします。普及・啓発事業の多くは、イベント等を除き、相対的にコストを要しない事業が多く、また、効果測定は困難なものがあります。例えば、公職選挙における普及・啓発事業であれば、投票率の向上が目標となりますが、有権者の投票行動と普及・啓発事業との因果関係を客観的データにより測定することは、非常に困難であります。一方で、選挙の社会的重要性は非常に高いことに変わりはなく、投票率向上のための普及・啓発活動は不要不急なものではなく、依然として必要であると考えております。ただし、執行方法が効率的であるかなどについては、行政評価の役割でありますので、普及・啓発事業についても正しく評価し、適切に予算措置をしてまいります。  次に、外郭団体に対する来年度予算編成についてのご質問にお答えいたします。  外郭団体に対する来年度予算編成に当たっては、これまでと同様に、補助金を含め、区が支出しなければならない真に必要な経費を精査し、計上していく方針であります。なお、さきの決算特別委員会でご指摘がありました、としま未来文化財団は埋蔵金が発生しやすい構造になっているという点に関してですが、基本財産につきましては、財団法人の基本財産の運用によって得た収益を、公益性が高いものの採算性が低い事業の経費または管理経費等に充当することを目的としており、いわゆる埋蔵金には当たりません。他区の外郭団体で文化的事業を実施する財団法人と比較いたしましても、としま未来文化財団の基本財産が突出して多額なものではありません。また、積立資産につきましては、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第16条及び同施行規則第21条の規定によれば、公益目的事業の1年分の経費に相当する遊休財産の保有は認められております。としま未来文化財団は、公益財団法人への移行を予定しておりますが、同財団が保有する積立資産のうち、公益財団法人の遊休資産に該当するものは、平成20年度決算で約2億3,000万円となっております。一方、としま未来文化財団において公益目的事業に相当する経費は9億円程度と見込まれておりますので、同財団の積立資産は、公益財団法人に法律上認められる遊休財産の上限額の4分の1程度となります。このことから、としま未来文化財団の積立資産は適正な範囲にあり、いわゆる埋蔵金には該当しないと考えております。  次に、事業仕分けの観点を踏まえた行政評価の必要性についてのご質問にお答えいたします。国の事業仕分けは、公開の場で、政権与党議員と民間有識者からなる事業仕分けチームにより事業の必要性が判定されるものであり、国の予算編成過程の公開性、外部性が高まったものと認識しているところであります。区におきましては、平成17年度から19年度にかけて外部評価委員会を設置し、行政評価に客観性、外部性を導入いたしました。しかしながら、国の事業仕分けチームの判定結果が現政権の最終判定ではないのと同様に、外部評価の結果は区の最終評価にはなり得ないため、外部評価を19年度で打ち切り、その後は区独自の行政評価制度を立ち上げたところであります。  現在、最終段階の評価を実施しているところであり、まずは本年度の行政評価を取りまとめることを優先したいと考えております。  以上をもちまして、日野克彰議員のご質問に対する答弁を終わります。 ○副議長(小林俊史) 本日の一般質問を終わります。 ───────────────────◇──────────────────── ○副議長(小林俊史) 以上で、本日の日程全部を終了いたしました。  本日は、これをもって散会といたします。   午後6時17分散会...